2013年9月30日月曜日

自分がいいと思う写真でも

 自分で撮った写真を投稿サイトに出しているが、その反応がいろいろで変化に富んでいる。自分ではこれは絶対に良いと思うものでも、そうでもなかったり、スッと出したものが「いいね」をたくさんもらったりする。
 たしかに写真の良さは、一口に言えば千差万別なところはある。専門家が見ればまたそこはシビアなものになる。その専門家も好みと物差しをそれぞれが持っているから、一様でない。一様でないというと語弊があるが、一定のラインはある。何を入れて何をいれない写真にするのか、奥行きはどうするか、明るさはどうなのかとクリアしなければならないことはある。自分が感じたもの、人と違った視点を出さなければことたりない。「観光写真的」の場合でも、それを乗り越えるものを作り出さなくてはならない。そこがとても悩ましくて悶々とする。

 デジタル写真は改善がくわえられて、フィルム写真を超えた部分をもってきた。撮り直しもできるし、数多くシャッターを押してもフィルム代を気にしなくていい。だからどんどん撮ってしまう。判断が必要なところを、しないで撮ったりもする。それであとの始末が多くなるのがまた悩み。














2013年9月29日日曜日

アイゴの食害で神奈川の海にも磯焼けが起きている

 アイゴは海釣りでときどき釣れる魚だ。背鰭、腹鰭、臀鰭にある棘に刺されると大変なことになる。汽水域にも生息するらしい。毒棘をもっている魚として釣りをしているほうからは、敬遠されがちだ。
この魚は本州・朝鮮半島南部から琉球列島、オーストラリア北部まで、西太平洋の熱帯・温帯海域に分布する。磯臭さもあるので、人や地域により嫌われるが、徳島県や和歌山県などでは美味な魚として食材とされている。磯臭さを除けば肉質は悪くないし、白身で刺身、洗い、塩焼き、煮付けなどで食べられるとか。

 ところでこのアイゴは海藻が主食で、甲殻類や多毛類も食べるらしい。だから釣るときはサツマイモが餌となるとか。稚魚はプランクトンを捕食しながら全長3cm程度まで成長すると、沿岸域に大群で集まり、海藻を食べるようになる。夏から秋にかけては、港などで餌を漁る全長数-10cm程度の若魚の群れが見ることがある。

 神奈川県水産技術センターの工藤孝浩さんが、メールマガジンに載せた内容では、1990年代末ごろから南日本におけるいくつかの藻場の消滅は魚の食害によるとの説が唱えられ、懐疑的な意見もあったものの、近い将来神奈川県にも現れるだろうと予測されていた。そして、2004年に小田原地先の人工リーフのカジメが短期間に消滅する「事件」が起こり、それが県内初の魚による藻場食害の事例で、アイゴによるものと推定されたとのこと。アイゴが海水温の上昇で北上してきているということだ。海水温の上昇は海の生態系にも、おおきな影響を与えている。

 磯焼けは、アイゴの食害だけの原因ではないだろうが、温暖化という事態を引き起こした「人為」が引き金になっていることには違いない。
 国連の気候変動に関する政府間パネル総会で、温暖化の原因は人為起源の温室効果ガスである可能性が大きいとする報告があった。その「確信度」を、90%から95%上に引き上げたとのことだ。朝日新聞のタイトルでは「温暖化、人が原因」とばかげた書き方をしている。人の生活活動のどこにその原因があるのか、「温暖化、経済活動優先が原因」なら、合点がいく。身の回りの電気製品を備えさせ、供給電力を拡大させたのが「人」ではくくれる筈もない。





2013年9月28日土曜日

下手の釣り好き

 会長が、今年はハゼ釣りにあまり行っていないとのことで、例会をすることになった。来年定年になる「若手」が、休暇を取って参加するということになって、7名(も)の出陣になった。横十間川に通っているSさんが、「ハゼは小さくて痩せている。カラアゲにしたら骨を食べているようだった」と、教えてくれたので、やっぱり木更津に行くことにした。今年良く釣れていた場所に、ほんの数日前に行って見たHさんは、そこで20尾釣ったあと別の場所で50ばかり追加したということだ。

 前日は台風一過で幸いだったものの、その影響はいかばかりかという心配もある。まあ何とかなるかなと気持ちを盛り上げながら、現地に着いて始めてみると、心配のほうが当たったようでハゼのアタリは一向にない。地元の人が釣っていたバケツを覗くと、良い型のものを30尾ほど持っていた。7時ころからやっていたそうで、間もなく引き上げていった。会長は釣り場を横十間川と決めていたらしくて、4メートルの竿を使っていた。2時間ほどで、他の人は数尾程度だったのに、会長は18尾を獲得していた。去りがたい会長をせかせて、ヤエンガに移動することにした。


 ところがどっこい、そこも厳しい。およそ港の半分ほどを歩き回って、二カ所で集中しているハゼを釣ったが、30尾に満たなかった。皆悪戦苦闘しているようだった。足場がコンクリートなので、移動も安全で高齢軍団にはよかったが、もうちょっとなんとかという思いで終わってしまった。2.5mほどの水深だったが、そこから上がってくるハゼも手ごたえが面白い。

 もう時期を外しているので、基本的には数を期待するのは無理なのかもしれない。「温暖化」で落ちていくのが遅くなれば、楽しめる期間は長くなるのではと、こんなときには、手前勝手に思ったりする。休日と違って、帰りの道路も混雑するだろうからと、5時半のレンタカー返却時に間に合わせるべく、帰途に着いた。会員さんの宅配を済ませて、レンタカー営業所には1分の狂いもなく着いた。それだけは予定通りだった。





2013年9月26日木曜日

限界集落の旅の写真

 廃れていくとしかみえない村落。なんの贅沢も要求していないだろうに、目に入る風景は寂しいばかり。農業をあきらめて東京に出た義父は「成功者」と村落では言われているとのことだった。下って海へ出る途中には北陸新幹線の陸橋と自動車道の陸橋が不似合に頭の上を横切っていた。

生家の近所

おかえりなさいとバス停に書いてある
 杉の木を植えた屋敷跡

収穫した玉ねぎは保存用





将来を考えるのは必要でも、瑕疵があるのでは…。



 「新国立競技場デザインコンペの最終選考候補作品」が、去年の11月にあった。こういう速さには目を見張る。急ぎでやらなければいけないことをさておいて、こういったことが、すすめられる。国のリーダーのかじ取りが許していることだ。原発の廃炉、被災地の復興に力を注ぐのが当たり前のことなのに。しかし新国立競技場の設計を巡ってその運営にも、さまざまな問題が介在しているらしい。

槇文彦氏(幕張メッセなど、モダニズム建築に携わる)
 我々は東京体育館を現在の場所につくるのに大変苦労しました。したがってこのコンペでは、あまり敷地も広くないところでその10倍の施設をつくることは完全なミスマッチだと直感的に感じました。それが不参加の第一の理由です。
 そしてまた、このコンペの規約書を見た時に、これは何だと思ったのです。そこにはいくつかの国際的な建築賞を貰った建築家には一種の特典が与えられています。なぜ著名建築家だけにか。日本発の国際コンペであったので、私のような疑問をもった建築家は世界中に多数いたのではないでしょうか。国際コンペに参加することは多くの建築家にとって夢であり、ロマンなのです。シドニー・オペラハウスもポンピドゥー・センターも、当時無名に近かった建築家たちがつくった20世紀建築の代表作です。我々はそのロマンの燈火を大事に守っていきたいと思います。






2013年9月25日水曜日

四万川の散歩で気を晴らす

 傘を被って、浅草の車夫のようないでたちの男が、旅館前で出迎えをする。7階からその様子が見える。車とバスが効率よく並ぶように、車を預かって並べる。連日駐車場がいっぱいで、人気の旅館なのだ。車椅子を利用しても受け入れられる旅館を、探しだして2回目の利用になった。担当の仲居さんが、愛想良く応対してくれる。部屋にはすでに持ってきた荷物が別の仲居さんから運び込まれていた。

 前々日泊まった旅館では力のありそうな仲居さんが、義父の車椅子を押して部屋まで運んだのに、こちらではそういう扱いではなかった。旅館の車椅子に乗せて玄関内に入れてくれるまでのサービスだった。最初は義父を部屋の風呂に入れたが、家族風呂は複数あって、その一つに手すりがついているし、湯船に入るのに、流しから縁を超えずに入れるとのことで、そちらに連れていくことになった。フロントに連絡をすると、男性がやってきた。「車夫」なのだろう。タオルを数枚持ってやってきたが、やっぱり、側について道案内するだけのことだった。

 家族風呂に入ってみたら、なんとそこには浴場用の背もたれがついた椅子がある。前日フロントに聞いた時にはないということだったが…。立派な老舗旅館でも、障害者対応にはまだまだの印象になった。ちょうど風呂からでて、「サンスケ業務」がおわってとき、薄日が差してきた。

 娘と散歩に出ることにして、カメラを持って外に出た。四万川の流れは上品で風格がある。水の色に青みがかって、周りの木々の緑とで、見映えがする。流れが大小の石の間を通り抜ける。また何枚か撮ることになった。時期がもう少し後であれば、紅葉だったろうに。ここは11月末ならの短い期間だという。登っていくと、たくさんはないが、別の旅館群がある。手前の橋の側に四万温泉の提灯がある。前回も撮ったところだが。提灯の様子が違っているようだ。灯りが二か所しかつていない。省エネなのだろうか。「釣人の目」で川を眺めながら歩いたが、竿を出せるようなところは、なかったようだ。魚の姿も見えなかった。

(2011.5.4撮影)


2013年9月24日火曜日

トンネルを抜けるとそこは雨模様だった

 昨日、越後湯沢の温泉で泊まろうと、宿に着いたとき義父を車から降ろす際、助手席が回転したときに、足がドアにひっかかって膝のあたりをひねってしまった。いつも車の出入りのときに足首付近が当たってしまうので、気をつけているのだが、動かしている最中に、旅館の人が声をかけてきて、そちらに気を取られてしまった。なにより、移動ボタンをおしている者と介助している者と別々だったのが悪かった。

 立ち上がるのも痛そうで、支えて少しは歩けていたものも、無理な状況だった。風呂に入れるのは止めにして、身体を拭くだけにしておいたが、時間がたって腫れることもなく、じっとしていれば痛くないと言うので、とりあえずは安心した。次の宿は四万温泉なので、移動するのはゆったりでよい。道の駅で身障者用のトイレを借り、一緒に売店を見て回る。義父を車から「慎重に」おろして車椅子に載せ替えてみるが、前日よりは痛みが治まっているようだ。

 湯沢の方から関越トンネルを抜けると、「そこは雨だった」。谷川岳の方角は、頂上付近に分厚い雲が見えていたから、アレアレといっていたのだが、見事な天気の変身だ。その上気温が14度と表示がされていた。夏からその日のうちに秋本番になったようだ。宿に入るころには小振りになっていた。義父の足膝の具合が大丈夫のようなので、温泉に入ることにした。

 今の状態になってからも、義父の「張り合い」を満たすためと言う理由も使って、温泉に行っている。自力で歩行もできず食事も介助、もちろんトイレも自力は無理ということで、温泉に行くときには「温泉付きの部屋」にしなくてはならないから、なかなか利用可能な温泉がなくて、あっても料金が相当なものだ。その旅館側の扱いもサービスとしては様々な状況だ。正直言って足元を見られるように思うこともある。今回は、本人が風呂場で座れる中くらいの椅子がなくて、つかまり立ちしたままシャワーを使うことになった。湯船につかるときにも、3人がかりで入れる。風呂のサービス業者の苦労がよくわかる。

 もう一泊するので、すぐ下の四万川で、蚊ばり竿を振ろうかと道具はもってきたものの、朝からの雨はやみそうもない。むなしく川の音をきいているだけになった。

2013年9月23日月曜日

限界集落訪問の旅

 義父の故郷は新潟の大渕、家を持ったのは中の俣という直江津から山に入ったところ。身体の自由が利かなくなってから、少し安定した状態なのがきっかになったのか、時分から行ってみたいと言い出した。しばらく前まではもう行かないと言って、家族旅行で近くまで行って、すすめられることがあっても、「行く」ということはなかった。

 高田から山道に入って、それほどの傾斜はないが車が一台通れるだけの広さだ。さすがにいまは舗装がしてあるし、まれに車が行き交う。もう何年前だったか子供がまだ小さい頃、砂利道を延々と走ったことがあるのは記憶にある。

 中の俣で昔交流のあった人や親戚と合うことができて、車椅子のまま会話を交わした。そのご婦人も背中が90度近くも折れている。連絡をしないで訪問したから、庭先で一時の会話を交わしただけだったが、嬉々として話をしていた。生家は寄りたくない気持ちらしくて通りかかっただけだった。見回す集落は、もう少しで朽ち果てそうな家がいくつも目に入る。

 また一つ山越えをした中の俣は、かつて一家を構えたところ。農業に見切りをつけて東京に出てきたが、田んぼや田んぼに植えた杉、屋敷跡がそのまま残されることになった。何人かの知り合いと合うことができた。ショートスティに行っている人もいた。70歳以上ばかりだよと、葬儀から戻った連れ合いの友人が話していた。

 限界集落とはテレビでも見聞きすることが増えたが、身近に感じることになった。田を持って生業としている人はもう僅かということだった。







2013年9月22日日曜日

「早く、リニア新幹線つくれ」と、前のめりの突っ込み

 リニア新幹線の完成をオリンピック開催までにもってこいとの「圧力」がかかっている。「おいおい違うだろ、開催までには福一や被災地の復興が相当できていなくちゃならないだろう」という突っ込みはさておいても、JR東海幹部が試験運転ぐらいならと言っているものを、無理矢理急がせるとはいったい何を考えているのかと、これも報道番組の切り口になっている。

 リニア新幹線の完成をオリンピック開催までにもってこいとの「圧力」がかかっている。「おいおい違うだろ、開催までには福一や被災地の復興が相当できていなくちゃならないだろう」という突っ込みはさておいても、JR東海幹部が試験運転ぐらいならと言っているものを、無理矢理急がせるとはいったい何を考えているのかと、これも報道番組の切り口になっている。

 1964年の東京オリンピックの振り返りが、いいことばかりだったと描くことだけでは、皮相でものたりない内容になると思う。象徴的に思うのは、日本橋の「橋」で、東京オリンピックのための首都速道路建設によって、江戸の歴史も何もなく後景に追いやったものを、今懸命に復活させようと取り組んでいるとうこと。オリンピックの後遺症がいまになって復活かよと思ってしまう。(しかしこれとて、公共事業の理由づけか)

 「♬あの日ローマで ながめた月が きょうは 都の 空照らす四年たったら また会いましょと 固い束 夢じゃないよいしょ コリャ 夢じゃない オリンピックの 顔と顔 ソレトトント トトント 顔と顔♬」って日本中で踊っていた。でも、ことは浮かれているのとは、ちょっと違った様相で流れた。

 象徴の一の新幹線建設は、日本の歴史の一コマとしても知っている人は多い。しかし、これが日本の経済を支えたことを全く否定はしないが、経済効果とか損得勘定はどうなのだろう。国鉄が、オリンピック以降新幹線を造りまくって膨大な赤字を抱え込むことになった。おいしいところだけ分割民営化して赤字を清算事業団に被せた。これに本四架橋や青函トンネルの債務までのっけて、国の一般会計から補てんしたという歴史も、オリンピックの経済効果、損得勘定の中に組み込まれなくてはならないだろう。二の舞を避けられるのだろうか。



安全な技術開発ができるのかという疑問もある。技術的なことなど言えるわけもないが、時速500キロという車両を売るための実験台にされるのではかなわない。絶対の安全でなくてはならない。放射能汚染の影響も象徴的だが、安全安心という尺度は、日本では人権の軽視と同様に扱われている。地震の影響はわかり易いが、それよりその速さの移動が人間にとってどういう影響を与えるのかということだってあるだろう。40分であれ閉じ込められるのだから、宇宙飛行士なみの訓練や講習なんて…。いくぶん冗談にしても、起きうる事態について十分な検証がいるのではないかと思う。

完成を急いで、本当は必要な開発、検討が手抜きになったのでは安全はないがしろになっていく。超音速旅客機コンコルドは開発段階から大赤字が見込まれたが、止めることができずに実用化に踏み込んで、墜落事故を起こしたすえに、「退役」した。ボーイング787は実用が2年遅れた。完成を目指すのに目途はあるにしても、「オリンピック競技」とは違うのだから前倒しを自己目的にした開発などは危険すぎることではないか。イプシンロケットは発射を遅らせることになった。

ドイツはリニア鉄道の開発は止めたという。事情はわからないが、経済効果や安全技術、環境などを考慮して、あわないという結論になったのだろう。経済効果は、もちこんで使う要素でいくでも創作できる。あとから確かめるなどということは日本の現世には存在しないらしいが、アクアラインだって値下げしてから利用頻度があがっている。国土交通省の計算とはちがった事態で推移しているわけだから、いわばあとは野となれ山となれというくらいで、済まされていることだ。検証をしていくことも必要なのだろう。

こうひとつは、自然に対する影響だ。電磁波の影響もあるだろうが、その建設によってどれだけの自然界に対するダメージを呼ぶかということ。地下が多いとなれば水脈を切断することになることは間違いない。山に穴をあけて、ほかの山を壊して持ってきた砂利や砂をどれだけ使うことになるのか。沿線に今生息する鳥や獣には影響はどれだけ及ぶのか。絶滅危惧種は毎年のように増加しているが、影響はどれだけ及ぶのかということも考えなくてはならない。この経済効果のマイナスも積算されるべきものだが、このマイナスは金額だけでないことはもちろんだ。


北海道のJRは特急列車の最高速度を落とすことになった。運行回数も減らすことを決めた(913日)。デーゼル使用という特別な条件があるにしても、走行スピードが高い方が第一という物差しは、通用させちゃならないという結果になった。思うに、リニア新幹線を利用するのはビジネスが主だろう。これまでの新幹線なら、半日の移動時間と残りの「営業行動」だった。それがほぼ一日の「営業行動」となる。会社の売り上げは倍増となる。これで賃金が業務量見合った増になるのか。7年後には、なお高齢化が進んで乗客数が採算にみあったものになるのかどうかという指摘もある。





2013年9月21日土曜日

いよいよ釣りの仙人境地入りか

 先日行った渓流釣りのその後の話が盛り上がっている。渓流で転んだり、物を川に落としたり、つりへの気力が萎えたりと、大好きな釣りであるのに、様々な事件が起こるようでは、反省しつつも次回への希望につなげることを考えなくちゃならない。
 
 だいたい、日ごろ物事に慎重面しているのもかかわらず、動きの鈍くなった心と体を、いままでと同じようにこき使っているわけだから、ブラック企業と同様のしうちなのかもしれない。身体を厭えよという脳の指図より、目の前にぶら下がった美味しいものと美味しいお酒をたっぷりいただく。しかも続けてなのだから、これだって疲労とダメージになっていく。アルコールは日常いただいているではないか。それなのに、こういうところで飲む酒は格別だと、いただきすぎるのだから、なにおかいわんやだ。

 釣りは半日くらいにして後は温泉で…と本音を漏らした。観光も悪くない。というより、ご当地の歴史とは触れてみるものだと最近思っている。レトロなもの、いいものに触れあうと癒し効果も得られる。川底ばっかり心配しないで、渓流の美しさを愛でるのもいいじゃないか。てなことを考えていくと、釣り時間がどんどん少なくなっていくからそこは「適正」に。

 楽しみは人により様々だけど、釣りの楽しみはとてもいい。人生で知ってよかった活動だと思う。渓流釣りは特に自然に入り込んで、水と空気と緑の草木に触れて、命の洗濯ができる。ウソも駆け引きも必要なしで、自分が働きかけたことに、真摯なリアクションだけが反ってくる。失敗したら、しかけた自分のやり方を工夫してみる以外に手はない。相手が人間なら失敗を相手のせいにできたところが、そうはできない残酷さもある。怒りが通用しないから、怒ることができないし、その必要が無くなる。渓流にこころ穏やか入って、釣り支度にかかり、段取りよくゆくときは釣りの結果もよい。竿に着ける仕掛けが絡んだり、準備がうまくゆかないことに腹を立てたりすると、不思議とあとの釣りの結果が良くない。そういう微妙さをよく感じる。釣りとて精神修養めいたものを感じるところだ。

 遠野まで行っても魚に放射能汚染がないとは言えない。計るところまでやる気はないが、一関で山菜から高濃度のセシウムが出ているし、岩手の山間の牧場でもでている。そう高いものでないが、渓流に流れ込んでいることだろう。正直なところ、山奥に来てまでそんなことを心配したくはない。自然との融和を楽しみに来ているのだから、あえて考えたくない。考えたらアルコールの量が増えることになる。(アレ、手前勝手)




2013年9月20日金曜日

あきらめない

 安倍首相が、あわてて福島第一原発に行った。原発対策が国際公約にランクアップしたのだから、行かないわけにもいかない。汚染水の影響は「湾内の0.3平方キロメートル以内の範囲において完全にブロックされている」とまたコメントした。東電でさえ「コントロールできていない」と言っているし、毎日の汚染水漏れのニュースからは、到底信じられない。

 原発の安全神話とは、安全だと信じようとする活動なんだろう。これだけの確信をもってスラリと言ってのけるのは、なにかの力によってマインドコントロールに陥っている。

 せっかくだから、「全面にたって」週に一度くらいは福一原発の状況を点検にいったらどうだろう。5.6号機の廃炉を要請したとのことだが、恰好だけとの批判はまぬがれない。「全国を回って、廃炉要請を」という投稿もあったが、そこに向けさせる力はもっと蓄積が必要なことには違いない。政府を変えることまで考えられないと思うが、今は言い続ける以外ないのだろう。



2013年9月19日木曜日

みのもんた氏を、番組から下せとの要求が前からあった

 報道番組への出演を自粛しているみのもんた氏が、オリンピック決定前のラジオ番組で原発や汚染水、五輪に関して批判的な意見を展開していた。(97日アップ)

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安倍首相のオリンピックでのスピーチね、「東京と福島は250キロ離れているから安全です」あの一言はひっかかったね。案の定、世界の配信会社はどこも批判的だった。そういう問題じゃないよね。

福島の漁業組合長さんと話したけれど、あの一言にはガックリしたと言っていた。250キロ離れているから安心だっていうあの一言で、現地の人たちも何事だって思っちゃったって言ってたよ。

イギリスのBBCも連日トップで福島汚染水問題を報道している。国の代表団がね、470億円出して本格的に対策しますって言ってもねえ。はっきり言うけれど、2年半まえに起こったことが未だに解決できずに汚染水は垂れ流しになっているんだよ。そういう現状でもってどうすんの?って僕は言いたい。

じゃあどれくらいのお金を東京都はね、オリンピックにかけるんだというと6000億を越えるんだって。安倍さんは汚染水対策に470億出す。東京オリンピックに用意した金が6000億。どう感じますか、世界中のみなさん? おかしくない? なんとなく僕は気になるね。僕は正直にいまそう考えている。

たしかに経済効果はすごいよ。アベノミクスで円安にもってけ、円安にもってけ、それはいいよ。1ドル360円を1ドル80円代まで努力してもってきた。そりゃ輸出産業は儲かったよ。一時的には儲かった。でもそれ以外の輸入に頼っているところはどうだい?

消費税上げようじゃないか、来年の春に5パーセントを8パーセントへ。景気は本当によくなるの? 景気がよくなるためじゃなくて、税収が足りないから上げざろう得ない。福祉に、年金の補填に、使いますよと。でもほとんど1パーセントくらいしか使わないんじゃないの。あとは景気浮揚策に使うんじゃないの?

実際にいろいろ見ていると、東京電力の発表が信じられないんだよ。東京電力の副社長さんに「朝ズバッ」に出てもらったの。それで質問したの。「どうするんですか?」と。「いま考えています」と彼は言う。この状況を(東電に)任せられないでしょ。東京電力個人では無理でしょ。そして安倍さんが東京電力の処理に470億出すと言った。そんなもの見え見えでしょ。オリンピックがなかったら470億出せないのかい?

そういう状況だから実際に行って4号機に入って確認してきますよ。あそこに水が溜まっているんですよ。だって水かけて冷やしているんだから。汚染されているんですよ。あれが染み出て漏れているかどうか、どれくらい溜まっているかどうか、地下水にまで行っているのかどうか確認してきますよ。

今朝の新聞には地下水にまで到達していたと報道されていた。じゃあその地下水は一体どこへ? 福島の海へ? 2年半まえの事故だよ。2年半どんどん染み出てたってことになるんですよ。2年半流れ出ているんだよ、福島の海に。
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 319日に、みのもんた氏の会社への抗議行動というのがあった。「民主党政権の時には、トーンが低かった復興支援と原発問題の対策批判を、自民党政権になってから始めた」等という抗議。
 アナウンサーへのセクハラをして、批判をされていたが、息子の「不祥事」が重なって自粛降板となった。降板の理由が不祥事だけでなさそうだ。youtubeには、このほかにも、日の丸を背景にしながら、「そろそろ引退しろ」と主張する動画もある。










2013年9月18日水曜日

オリンピック招致の落としどころ

 オリンピック招致を巡って、国民の総意だという雰囲気が造られた。反対するものは「非国民」とまでいう言葉も飛び出した。戦前の「戦争に反対する輩は非国民」というレッテルと似たところがある。「小泉改革」のときもそういった雰囲気がマスコミの扱いで作り出された。ただ持ち上げるだけの軽薄な評価で走り回ることしか日本ではできないのかと空しくなってくる。

 オリンピック招致より福一原発や東日本震災の対策が先ではないかという批判に、当然ながら無視しえずに、「福島の問題も一緒に」「忘れてはいけない」という付け足しをしなくてはならなくなった。
「若者の夢を、元気を」というのは悪いことではない。でも足元では道路だ、新幹線だ、競技場だと「公共事業」を正当化する理由にされているだけではないか。それに社会保障圧縮、消費税増税。復興財源さえ消化しきれない現状、野放しに近い福一原発対策であることを知っているはずが、それをさておいての招致大運動だ。そうとしか纏められない。

 チラホラと震災対策を口にしても、これから急に対策に傾注するという態度になるのか、していくとでもいうのか?
 畏れ多くも、オリンピック招致は「辞退すべき」とSNSに投稿して、ちょっと動揺もしたが、ほかにも辞退説を唱える人がいた。Facebookの投稿では、それに近い意見が多く出されていた。その中に、招致が決まったからといってスタンスを変えるべきでないという辛口のご意見もあった。現在の1000兆円にのぼる財政赤字は、東京オリンピックが始まりだったということを書いている人もいる。

 経済対策=現ネーミングのアベノミクスの大盤ふるまいで、いったい何を手に入れることができるのか、またぞろ財源赤字の累積、社会保障の切り捨て、増税のほかになにがあるのかは見えてこない。膨大な負の部分を抑えて、生活が豊かになっていくこと。そんな夢を若者がみられるのだろうか。少なくとも自民党政治のこれまでのやり方の中にはないとしか思えない。

 福一原発の「収束宣言」、復興資金の「流用」や遅れへの反省は見られない。軌道を変えることは考えられない。考えたはくないが、その可能性は十二分と言っても言い過ぎではない現状だ。としたら、オリンピック招致は日本が負っている、おおきなマイナスを覆い隠すことになるのではないか。日本にも世界に対しても。





2013年9月17日火曜日

言葉をもてあそぶ

 スピードラーニングのコマーシャルで、英語のテープを聞いていれば覚えてしまうということをウリにして流している。生まれたところがアメリカなら、英語は難なくしゃべるようになる。聞いて言葉を覚えて会話で意味を確認していくことができる。そういう意味で聴いただけでもいくらかは、脳の記憶に残ることになるとは思う。

 「聞き流し」というと、言葉の意味の上では聞かないという意味だ。時代とともに言葉が変わっていくのは否定できないが、聞こえたことも聞こえないとすることだから、ほんとうは記憶からはずすということ。揚げ足取りといえるかもしれないが、言葉をこんな風に使って意味変更を加えるのはありなのかなと疑問に思う。宣伝だから100%事実ではないといえば、その通りだが。

 福一はブロックされているという、万人がびっくりした発言。これも言葉の使いようを違えたものだった。本心でそう思うなら首相の資格が問われることだし、質問されて弁解に務め、「福一についての様々な報道にたいして、コントロールしているよ」と発表するに至っては、IOC委員の判断をちょろまかしたということにならないのか。言うに事欠いて「タンク」のコントロールも政府が関与すると言うに至っては、ついにバレバレの内容だ。

 発言直後に東電から「ブロック」の認識について問われたのも、理解の度を越えたものだからだろう。軽はずみで責任が重いことだ。言葉をもてあそんで日本語的意味や理解を簡単に変えていくことでいいのだろうか。小学生が「リセット」を生まれ変わることと解して、死ねば生まれ変われると認識しているという笑えない話も起きている。これでは、小沢昭一さんが墓場で怒っていることだろう。





2013年9月16日月曜日

高齢者も気象情報発信

 風が強く吹いて家が時々揺れている。ゲリラ豪雨に竜巻が発生するという荒れた天気が続く。そして台風だから、被害にあったところは困っていることだろう。竜巻はレーダーに映らないから予報できないという説明をしていた。しかしさすがに「注意報」の言葉が気象庁の予報で出てくる。状況を聞いて判断しろという。言って見れば自己責任のようなものだ。

 トマホーク(巡航ミサイル)は湾岸戦争、イラク、アフガンなどの時に使われた。低い弾道を飛ばすので、レーダーに映りにくくて、音速よりやや遅いので追撃されやすい欠点があるとか。レーダーから察知しにくいからと言って比較の対象としていいのかどうかわからないが、片方は人道にも悖る兵器で存在自体を容認できないが、その速度よりは遅い竜巻を把握できないというのはどんなものかと思ってしまう。

 気象庁の測候所は「機械化」によって減らされた。現在は二つだけらしいが、測候所の役割は大きかったと聞いている。地上の気象データを蓄積するわけだから、気象の把握には役割が重かったのだろうと思う。スーパーコンピュータの導入できめ細かい予報が可能だと言われていたが、現在の「異常気象」状態をみると、データが多い方が予報には精度があがるのではないか。どうなのだろうか。

 民間の気象予報(気象振興協議会23団体)では、各地の気象の状態を登録者から通報してもらって、情報を発表しているところもある。民間の方が「測候所」機能をもっているようなものだ。気象庁も情報が集まるような方法を考えたらどうだろうか。館山でシロギスつりにいったとき、船宿の人が慌ててボートを迎えに来たことがあった。山の方に雲がかかると風が出るということだった。まさかとういう感じだったが、間もなく荒れた風が噴いてきた。

 各地の情報が集まるように、高齢者から連絡者を募って情報収集するシステムを造ったらどうだろう。高齢者が4分の1になったというから、自宅にいて「観測」可能な人もたくさんいるのではないか。端末を用意してもらって、1件連絡したらなにがしかのポイントでも付与して。






2013年9月15日日曜日

ちょっと寂しい秋の渓流 その2

 三日目は、豊沢温泉方面へ。昨年の同時期にはよい釣果だったとのことで、大沢川の上流部へ行くことになった。車一台がやっと通れる林道をずっと上ると、開けた分流地点に着く。車が一台止まっており、先行者かと疑ってみるが、キノコ採りということもあるので確実なところは解らない。その地点から上下に別れて入渓する。入った渓は浅く細い流れで瀬が多くて、ポイントは少ない。しばらく我慢して登ってみるが、魚信も遠い。Kさんと相談して一緒に下流部へ移動することにした。

 下り口を探して下ると偶然にも、行きがけに見えた滝の上に出た。4メートルほどの滝の下へ、上の方から慎重に回り込んで降りた。1メートル弱の水深で思ったより浅いが、錘を足して重くしてやってみる。すぐに魚の姿が見えたということで、よしそれではと気合を入れかけたところで、分れたSさんが吹く笛の音が聞こえた。時計を見ると集合時間いっぱいになっている。自分は1尾あがったが、Kさんにもなんとか釣れないかと思うが、待ち合わせに遅れるのはまずい。事故の疑いもかけるので断腸の思いで止めて、林道へよじ登った。

 午前中の結果は5人で合計20尾でちょっと物足りない釣果だった。同じ渓流で場所を変えて再度挑戦することになった。大きい岩はなく、歩くのにもそう苦にはならないほどの石があって、イワナの渓そのもの。ポイントは少な目だったが、やりやすい。しかし鳴かず飛ばずの状況で、釣りの意欲が減少するばかりだった、結局合計4尾で「物足りない」以下の状態だった。釣れないせいもあって、ミズが沢山生えているのが目に入った。太めのくきがつやつやして、食材になるかと折ってみたが固くてスッキリ折れない。ムカゴをつけて晩秋への支度をしている。たくさんあればこれも食材になるが、少しでは仕方がない。群生しているので、春にはよいものが手に入るのだろう。
 もう一つの楽しみである大沢温泉の露天風呂。混浴のトキメキを味わいに、行かないわけにはいかないところになっている。川沿いにある風呂から外を眺めて、魚が見えないかと確かめてみるのが通例。今回は外国人の客が入っていた。ラッシュアワーだったのかもしれないが、たくさんの人が入浴を楽しんでいた。

 四日目は早くも帰りの日になる。物足りなさを最後のあがきと釣りをしようと、支度をしているときに雨が強く振りだしてきた。早朝にすごい雨だったとKさんが言う。これでは釣りは無理かなと、次回のために豊沢川の上流部に、ダムの流れ込みを見学に行くことにした。帰り支度を済ませ、一度別荘に戻って昼食後に温泉に入って帰ろうと、たっぷりある時間を有効に使うことになった。

 豊沢湖への流れ込みは川幅が広く平坦で、ところどころに深みもあってなかなかよさそうなものだった。もう20年も前に一度やったことがあるが、平べったい流れを水に浸かりながら上流部に歩いて、深みで釣った記憶がある。水中の移動で気配をさせないように釣ったが、なぜかその場面だけ覚えている。後の記憶がないから、相当感激した思いだったのだろう。岸からちびヤマメの姿が群れて見えるところもあり、釣り道具を持ってこなかったことを残念がった。川沿いに住居を構えている人の話では、今に時期は上流部の細沢で大きいヤマメが釣れることを教えてもらった。支流がいくつかあるので有望なのだろう。次回への期待を膨らますことができた。

 一日目も二日目もちょうど30尾の釣果で、囲炉裏で焼くのとから揚げで食べる夕食の具財として頃合いの量だった。今回は、チビ魚を使い、ゴーヤと絡めたかき揚げが新料理として「発表」された。ゴーヤは湯がいてあるので、苦みが少なくなっている。魚臭がその苦みと相殺されたような感じで、ヤマメの味の良さが浮き立つようだった。釣れている魚の型は小型が主なので、つり味は物足りないが料理になればちょうどいい。大食時期をすぎた中高年ともなれば、量より質への転嫁がなによりで、具合が良いものだった。多少の負け惜しみもあるが。






2013年9月14日土曜日

ちょっと寂しい秋の渓流

 もうすぐ禁漁に入る渓流釣りに、遠野、豊沢温泉方面に行った。5人の渓流志向者がそろって、「別荘」を利用させていただいての3泊だった。秋の渓流はこれまで経験が少なかったから、どうなることか心配の釣りだった。
 初日は早池峰ダムの手前に流れ込んでいる折壁川へ行って見る。ダム湖の際から釣りができる渓流で、前回はヤマメが結構飛び出して楽しめたが、上流に様子を見に行くと、5人が入るにしてはポイントが少なそうで、今回は断念した。ダム下の岳川へ移動。増水した流れが相当強い。いつもやる5月初旬のときも水が多いが、今回はゲリラ降雨の影響だろうか。難しい中でも、5人合計で15尾のヤメメを確保。

 そこから下流の小又川へ行って見ようと、ヤマメが多い渓流だとの認識一致したところへ移動する。5人がまたバラバラに別れて釣り始める。やはり水量多めで、流れが強いが、深みあり落ち込みありの変化のある流れになっている。厚みがある流れの中からヤマメが目印を揺すって、飛び出した。前回はイワナの竿でやったので、竿をはじかれて悔しい思いを重ねたが、今回は硬調の竿に変えたので係りが良くなった。ここでは合計で15尾と1回目と同尾数だった。

 釣れた尾数の結果からみると、岳川の支流である小又川も、こちらの方が魚の数が多いという認識は違っていたということになるのだろうか。仕掛けの長さや竿やポイントの選び方などを比較してみないとわからないことだ。無論腕前や慣れの差もあるし。

 二日目、遠野方面の小烏瀬川は下流部では水量の多さが目立ったが、山に入ると前回と同様の状態で、上流への移動も難なくできた。奇しくも前回と同じところからのつりで、最初のポイントでも同じ沈み根の穴から良い型の岩魚が飛び出した。幸先良い出だしだった。午前中は合計イワナ中心で19尾確保した。

 水量がちょうどよいので、前回はよくなかった荒川も大丈夫だろうというという提案で、2回目は移動して挑戦してみることに。荒川は最近になって相当入渓者がいるとわかってきた。それはそうだ、立派な舗装林道を降りて支度が済めば、5分もかからずに渓流に立てるところだから。
 勝手知ったる渓流の流れを分担してはいるが、合計で11尾の結果。水量は確かにあって、水色も悪くはないが白い底に砂が相当溜まっている。途中水没したあとが見えたので、そうしたことが影響したものだろう。「荒川」という名称もそれを表しているのかもしれない。





2013年9月13日金曜日

ドイツの街中

 ドイツの街中は路面電車が目立つ。その電車は連結されていて、足として重きを置かれているようだ。道路上の車は街中では、大渋滞の様は見えない。東京では路面電車は荒川線を一つ残して追い払われた。自動車優先社会が幅を利かせるようにしてしまった。見ているところは観光地でもあるから、限界はあるにしても歩く人、自転車、路面電車、車が、せわしく競い合うという日本のような風景ではない。融合しているといったらいいのか、お互いに邪魔しあうことなく空間を豊かに使い合っている。









2013年9月12日木曜日

広告の迫力

 テレビのチャンネルを転換すると、健康食品のコマーシャルがいくつも飛び出す。どれも効果があると自画自賛だが、高齢になるにしたがって、あれこれの身体的な不都合がでてくるから、的になって責められる。出てくる症状は治癒するものならいいが、なかなか治らないと病気なんだろうという診断を自分で下す。いちいち医者にいて行っていられるかと、我慢できて間に合っている時はそれで済ます。医者に診てもらったところで、症状の軽減をするための薬をしこたまもらって金を置いてくる羽目になるし、年齢ですからねと納得させる妙薬を頂戴しておしまいのこともある。

 そこを見透かしての健康食品の宣伝大攻勢だ。○○パワー、コラーゲン、しじみナントカ、生薬、痩身「薬・食品・道具」と、「個人的な意見」だと断わりながら効能とやらを紹介する。こっちは身に覚えがあるから、フッと乗せられることになるのだろう。100%偽りとは言えないかもしれないが、その効能なるものはどこまで信用してよいものやら。家が唯一の居所になれば、テレビ情報が貴重なものになる。しかし、なにも使用前使用後の写真を撮ってまで宣伝することはないとは思うのだが、ヤセ願望とかビハク願望が幅を利かせるようでは、不幸な世の中だと思う。

ドイツの看板、ショウウインドウは迫力がある。












2013年9月11日水曜日

花粉症、恨みの一枚

 写真の整理中に出てきた一枚。2000年だから一昔前の現職のころのもの。職場か撮った首都高速道路。デジタルカメラを買い込んだ最初のころのもので、何気なく撮ったものだった。この高速道路の下が日本橋川。神田川からの分流で、時々作業船が走っているほどの河川で、この上に専用道路が走っている。この道路は渋滞することが多いので、この排気ガスが低い川面に貯留することになる。この職場に異動で行ったとき、花粉症の仲間入りをすることになってしまったのは、この排ガスのせいだと思い込んでいる。



2013年9月10日火曜日

ゼネコンも実は負担になる東京オリンピック?

 陸前高田の鳥羽市長の昨日の投稿。「オリンピック招致決定で喜んでばかりいられない、7年後に世界の人々が訪れたとき「復興中」ということはないと考える」と。しかし、スーパーゼネコン幹部は、震災復興、「国土強靭計画」に東京オリンピックで、我々もパンク状態になると鳥羽市長に語った。


2013年9月9日月曜日

昨日のハゼ釣り大会で思ったこと

 昨日はハゼ釣り大会だった。78人参加で、これまでの参加者数から見ると減ってきている。しかし18位までが、1キロを超えるという結果はいい方の釣果ではなかっただろうか。
 天気予報通り朝方は、雨がぱらついていたが、本格的には降らずに時折またぱらつくといった状況だった。前夜からの雨もあったようだから、影響がどんなふうに出るのかの読みは、現地に多く通っている人はわかるのだろうが、難しさがあるのかもしれない。

 少ない経験と今年のこれまでの具合を加味して、場所を決めてやってみるものの、2週間前とはやっぱり違った反応で、ハゼの魚信はなかなか得心には至らない。「粘りのゴルフ」並みに執念を燃やして、歩き回るものの、時々数尾ずつの入手では好成績にはつながらない。

しかし今日は妙なものを見た。というより確認したというべきかもしれないが、アタリがなくていたのに、急に釣れた。ふと正面に見える仲間のつりを見ると偶然にも、やっぱり釣れているではないか。そのときなにげなく、その先の同じ会の参加者の竿も曲がっているのが見えた。海の潮の動きでプランクトンなどの生物が、活発に動くときがある。海が川の流れと同様に、満ち干で動くことで魚の餌も動き、魚の捕食活動が昂進するとは一般的に説明される。しかし、少しくらいの水の動きで、一斉に動き出すものなのだろうか。

 ことハゼに関すれば、ハゼがなにを日常捕食しているかはわからないが、食しているものはそんない多くないのではないだろうか。つまり食べられそうなものはなんでも口に入れてみるのか?それは学者に任せるが、釣れたハゼのはらわたを見る限り、形になっているものは何もない。アオイソをガッチリ咥えて、ごちそうにありついたと思った瞬間に、水の世界から空中にひっぱりあげられる。つまり日常の食料の枯渇が存在しているとすれば、潮の動きを察知した瞬間に、ハゼが緊張モードに入る。エサが間近に発生するはずだと、知覚すると考えるのはどうだろう。まあ、潮の動き緩慢でふらふらしている時には魚のほうが、たとえ近くにエサがあったとしても食べない。エサが動き踊ることに魅せられて、追っかける。そこに着目して「誘い」という人側の動作が、このときには功を奏すということじゃないだろうか。
 結論的には、潮の動きがハゼの顔をなでた瞬間に戦闘モードになるという、勝手な解釈。これが生きていくためのDNAとして引き継がれているとしたら面白い。

 もう一つは、ハゼは動き回るということ。以前江戸川の浅瀬で釣りをしている時、裸足でサンダルを履いていたが、潮が満ちてくると上流側に向かって「我先に」というくらい泳いで上がっていくのを体験した。裸の足にぶつかってくるのだった。潮が干潟を満たしていくときには、底の方からハゼの好むエサが湧きだすから、それをねらって「我先に」という具合に上って行くのではないだろうか。ハゼがどう動くのかは、これもわからないが、水脈筋なら川と同じだから判断に困ることはない。そうでないところではどうなのだろうか。それはハゼに聞いてみないとわからない。

 一定の行動範囲が決まっているとしても、数回にわたって釣りをされる場所は魚が少なくなる現象があるようだ。そうすると、絶対的な通路というものはないことになる。勝手気ままかどうかは何とも言えないが、毎年のように、今回はこの辺はよく釣れるというところはある。しかし、いつもそこがいいというわけでもなく、長期短期の天気や当日の気象、温度、潮回りなどで変化していく。釣る方の都合による絶対はない。相対的によいというものだ。

 釣り大会では、アクアライン周辺の広範囲を散らばって釣りをするから、結果を集めると、なるほどそうかということになるが、そういった状況を咀嚼して「大漁」に至るときの快感っていうのはあるんだろう。しかし残念にもそういう目に合ったことはないのだから、ここで考えたことの誤りを次からの実戦で試さなくてはならない。今回は477グラムで40位という結果だった。昨年は入賞できたのに。

 異常気象が日本のあちこちで現れている。北海道でクロマグロの水揚げがあり、相模湾でメジマグロが爆釣だという。水温が3度も上がっているということで、ハゼの動向にどういう影響が表れるのだろうか。水温が下がれば深いところに移動していくということなので、当分岸近くにいるということになるのだが…。そうであれば次回のハゼ釣りに大いに期待がもてる。








2013年9月8日日曜日

モノクロ写真編集中

 モノクロ写真は味がある。写真の腕を脚色してくれるようで、今はパソコンで編集できるから、暗室に入ってやる味わいはないけれども、楽にできるようになってきている。


桐生の織物工場の写真を編集してみた。














2013年9月7日土曜日

オリンピック特需でうまくいくか

 東京の臨海部会計は起債残高が2300億円以上になっている。無理矢理に埋立をして、土地売却で収入を得ようという目論見は完全に破たん状態。売却価格をいくら下げても企業に振り向かれない状況で、進出予定企業からも進出撤回をされて、2020年度までの8年間に利息を含めて毎日888万円を返す計算になるとか。

 開発には、港湾局の予算を「一人当たり1億円使用させる目標」を設定させてまで金を使うように仕向けた。企業の土地の利用は一向に進まず、進出企業誘致のために何度となく、廉価サービスをしてきた。都が出資して無理矢理使わせた第三セクタ―5社も破たんするなどして、都の特別3事業会計を合わせて赤字を隠したり、都財政から「補てん」をせざるを得なくなり、一般会計からは出さないとしてきた臨海部開発は破たんした。
 
 都の臨海部開発のツケ(返済額)は現在2500億円に近い。2020年度までに利息を含めて毎日888億円を払う勘定になると。石原慎太郎が知事になったときはその「見直し」が公約だったが、結局「去るも地獄残るも地獄」といって継続した。2000年には、自然保護団体、釣り業者、船宿、つり団体などが有明北地区の埋立を止めろとの声を上げたが、強行してしまった。「ハゼはどこかへいくでしょう」が議会答弁だった。有明北埋立地は、失敗した2016年度のオリンピック招致の際の選手村の設定だった。
 
 1964年東京オリンピック以後、翌年には「構造不況、昭和40年不況、証券恐慌」に陥ったし、長野のオリンピックも自治体の財政負担は重いものが残った。「経済効果」はインフラ整備にあたる企業にはあるにしても、都民の目線からは恩恵が見えてこない。自治体行政の本旨から逸脱して「不動産事業」ばかりに執心しているのでは、政治ではない。

→ 信濃毎日新聞2003.2.7

「現在の日本の累積債務の山は、東京オリンピックの後始末がスタート地点」との見方がある。

→ BUSINESS-経済-


 2000年に埋立をした有明北地区(2010年11月)











2013年9月6日金曜日

「あまちゃん」効果でNHK「グループ」の売り上げ好調

 連続テレビ小説「あまちゃん」の視聴率が絶好調で、三陸の地元でも関心高く、震災の経験と重ねあわせて見られていると、NHKが報道していた。「あまちゃん」のオリジナル・サウンドトラックはオリコンチャート初登場で5位、小泉今日子の「潮騒のメモリー」は7月時点で2位と売り上げがあり、劇中歌をすべて集めたCDまで出して、2次利用ビジネスを不況知らずのように展開している。

 NHKが特殊法人で公共放送局だから、商業活動がどこまでできるのかという問題は、1982年の放送法改正によって、NHKが営利事業への出資が可能になったことで、子会社・関連団体の活動としてできるようになった。その数98年で65団体もあったが、整理統合があり、今は営利法人が13社、関連公益法人は9団体、関連会社が6団体となっている。

 放送番組の制作・購入販売をしているのはNHKエンタープライズ(NEP)で、子会社の中では出資比率80%の最大手。この会社の売り上げは2012年度で511億円、純利益は11億円。従業者は537人と少ないが、親会社の版権によって効率の良い稼ぎになっている。NHKの単体での決算の他に、子会社との連結決算をしているから、本来一体化した企業体とみられるべきなのに、事業収入のうち90%は受信料という金回りだから、悠然たるNHKグループというところだろうか。

 06年には、会計検査院がNHKの当時の子会社など33団体も剰余金が886億円あったと発表し、主な財源が受信料なのだから関連団体に過剰な利益を与えないようにという改善を求めていた。
昨年の10月から受信料を最大120円下げたのは、当然と言えば当然のことだろう。NEP社員は537人、うちNHKからの出向は120人もいて、平均年齢は48歳ということだから、天下りの高額給与者が多くいるといえそうだ。


Livedoor news

NHK、あまちゃんビジネスの儲けはどこに?受信料・高給体質の裏で多額剰余金プールか










2013年9月5日木曜日

「もっとやれ」と言いたくなった

 4日の自民党の資源エネルギー戦略調査会と経済産業部会の合同部会で、福島第一原発の汚染水洩れ対策についての「説明」を関係省庁から受けた。これに対して「また起きたら経済産業省が責任を取るのか」「汚染水は海に流せ」「東電に資本が残ったまま、国が税金を投入するのは、納税者が東電の株主を助けることになる」と、自由闊達な意見がだされたらしい。

 問題が大きくなってくると、責任は誰が取るのかということまで心配することになる。最悪のシナリオを考えて準備してよと、関係省庁に迫る意見も出る。一番すごいのは平沢勝栄衆院議員。「なぜ五輪招致前に発覚したのか」と五輪招致への影響をぶち上げた。これは本音なんだろう。自民党の内部でこういう議論が出てくるのは、深刻な問題の大きさの反映だけれども、これまでの「知らぬ存ぜぬ」から一歩抜け出して結構なことではないか。

 河野太郎衆院議員が「東電に資本が残ったまま、国が税金を投入するのは、納税者が東電の株主を助けることになる」と発言したとか。まともな意見が主流になってもらいたいものだと思う。

 東京電力福島第一原発の汚染水漏れ問題をめぐり、自民党の資源・エネルギー戦略調査会と経済産業部会は4日の合同会議で、安倍政権が3日にまとめた対策について説明を受けた。出席者からは「また起きたら経済産業相が責任をとるのか」などと厳しい意見が相次いだ。

 会議には約20人が出席し、関係省庁の担当者が遮水壁建設などの新たな対策について説明。これに対し、「汚染水は何十年も保管しなければならない。最悪のシナリオを考えて準備をしてほしい」(秋本真利衆院議員)、「最終的に汚染水は(海に)どう放出するかタイムスケジュールを示すべきだ」(笹川博義衆院議員)といった批判的な声が相次いだ。

 河野太郎衆院議員は「東電に資本が残ったまま、国が税金を投入するのは、納税者が東電の株主を助けることになる」。平沢勝栄衆院議員は「なぜ五輪招致前に発覚したのか」と五輪招致への影響を懸念した。

(会員でないと全部は参照できない)




2013年9月4日水曜日

異常気象と認めて

 気象庁が、異常気象検討会を開いて、会長が記者会見で「異常気象だったと言わざるを得ない」と述べた。記録上で残すことに後々いろいろ支障が出ないようにという判断があるのだろうか、起きてからの判断という手法が目立つ。梅雨入り、明けの判断も、後の気象の変化を斟酌して発表することがある。

 気象の変化は定型的には収まらない微妙さもあるだろうし、長い時間のスパンによって変化をしていくことは当然あるだろう。一般的にはわかるが、シロウト的には異常気象の状態はこのところどんどん進化していると思えるし、なんでオズオズと発表することになるのか不思議に思う。

 イギリスでは2008年に、エネルギー・気候変動省が設置されて、税も含めた対策が採られているという。日本はアメリカとともに、温室効果ガス削減、CO2削減には積極的ではない。京都議定書にも後ろ向きだ。「産業界」に対する配慮がある。
 気象庁の予報を頼りにしているのは、洗濯物を干す主婦から学校に通う子供、勤め人はもちろん、仕入れ、製造に関わる商店もある。およそすべたてだ。「異常気象」という定式化、規定から発生する様々なことはあるにしても、みんなの暮らしの方から考えてもらわないと、安全にかかわる。すくなくとも「特別警報」の運用を始めるくらいの異常が発生しているのだから、素直に対策を進めるべきことではないかと思う。

 奇しくも「異常気象」を認定、発表した当日2日に突風が発生した。翌日「竜巻」との発表だった。これも後日になるということになっている。竜巻が起きそうだからという予報を、するようにならなければ事足りない。その竜巻はすさまじいものだった。「特別警報」は一歩前進なのかもしれないが、それさえ「行く先を決めて勝手に逃げろ」というものだから、防災対策のほんの一つにしかなっていない。





2013年9月3日火曜日

秒と、百分の一秒勝負の危ない世界

 イプシロン一号機の発射が中止になったのは、ロケット搭載のコンピュータと管制側の間で、姿勢データの受け渡しのずれがあったためだった。ロケットの姿勢データの計算に、時間が0.07秒遅くなったためだとの発表だった。計算時間を考慮していなかったということを原因としているが、リハーサルでは出てこなかったことなので、総点検をすることになった。

 「はやぶさ」を打ち上げた世界最高性能M5ロケットの後継機で、低コストというがウリでも、躓くことになった。「軍事転用」は許されないが、仮にその方向から問題を立てると北朝鮮からの笑い種ということになったのかも。コンピュータはいまやどこでも使用されている便利な機器だが、効率やコストを優先させることでは事足りない。

 88日の緊急地震速報が誤報だった。速報は横揺れを捉えてどのくらい揺れるかを予測発表する。最大深度が5以上という予測なら警報をだして、携帯電話にも知らせることになっている。震源が遠いときは地震の到達からの差で、数秒から数十秒の猶予ができる。内陸の震源が浅いところでは、そうはいかない場合もある。
 今回の誤報は御前崎中継基地の装置の不具合で、「誤信号」が発生したものという。短時間での処理なので、震源や規模に誤差が生じることが結構発生している。2007年に警報が発表されるようになってから、揺れなかったとき3件、地域が違ったのが9件、震度3以上の揺れが観測されなかったことが全体の約四分の一あったとのこと。こちらは日常の安全にかかわることで、早い改善が必要だ。もっとも、地震対策に限らない防災対策はもっと早く進められるべきだが。

 手を掛けるべきことが沢山あるのに、あの「リニアモーターカー」の急ぎっぷりはなんなのだろう。将来は海外へ売りに出る企業的価値を「日本の目的」としているが、すり替えだ。時速500キロは秒速138キロだ。「そんなに急いで…」というセリフが一時はやったが、果たして、デジタル機器の駆使で安全にできあがることなのだろうか。ボーイング878のリチウムイオン電機火災はコンピュータの「使い過ぎ」での発熱も疑わしい原因になっている。しかし特定されていない状況だ。

 竜巻のすさまじさが報道されているが、「竜巻と思われる」とあとからコメントするのが関の山で、「起きそうだ」という予測はできないのが現状になっている。気象庁のスーパーコンピュータが、ここでは生きていない。情報処理のために金をかけても、こんな程度という現状も抱えている。デジタル様とのお付き合いの深化と進化が必要だということだろうか。





2013年9月2日月曜日

昨日のつづき

 昨日のブログの文章は、誤字やつづり方の間違いが酷かった。体調が悪いというわけでもないが、朝一番にSNSを見てしまったのがいけなかった。投稿を見ているうちに書き込みしたくなったり、ほかの人の写真の投稿を眺めてしまったりしてしまった。寄り道してブログ書きに入るのが遅れてしまった。それで、最近は動くのを嫌がってきている脳の働きが悪くなってしまった。日曜日は息子がゆっくり寝ているので、朝食の時間がごくゆっくりだったのも、エネルギー不足で集中を欠いた原因になったのかもしれない。
それにしても、書き込んだものの見直しができないようではいけない。これではまずいと反省。

 昨日書いた「ボーイング787」の問題で、いくつか付け加えたいことが出てきた。
かのボーイング787は、開発段階から装備について大口発注主の要望を取り入れて製造するという方式で、日本のメーカーの先端技術を持ち寄って造られている。その比率は日本が35%も占めているということだ。GSユアサコーポレーションがバッテリー、三菱重工が主翼、前部胴体と主脚格納庫は川崎重工、中央胴体を富士重工が請け負っている。

 一番機の納入は予定より3年半ほど遅れたそうで、原因は飛行機の作り方がこれまでと全く違っていること、機体の大部分を金属から炭素繊維に変えたこと、制御装置が油圧式から電動式に切り替えたこと、素材を各国から調達したことにより、組み合わせを試すのに時間がかかったということだ。いわばそれほど難しい製造環境を抱えていたということ。問題点のクリアが十分できていたのかという疑念を生む余地もある。消火器の配線ミスなど初歩的な事故は考えられないことだ。


 「正直言って現時点では本当の原因をピンポイントで特定できていません。このために、不具合の発生原因を網羅した対策をうっています」とANA会長が心もとない見解を説明している。787は足回りがいいので、滑走路が短い日本の飛行場に向いているし、国際線でも需要が高くない路線使えば採算が合う。JALの場合も45機購入して国際線に投入している。ANA65機を145千億円で購入した。

 国内、国際線両方に利用できるこの航空機に、事業の命運がかけられている。長期に止めることになることは「屋台骨をゆるがす」とANA大橋氏が言う。長期の運航停止は避けられなければいけない。LCCの格安航空機との競争も圧力になっているのだろう。「安全性」については、考えていないというわけではないだろうが、これで大丈夫という気は全くしない。




2013年9月1日日曜日

リスクも造られるもの

 「リチウムイオン電池の不具合」で、ボーイング787のトラブルが続いている。729日までで13件発生した。内容も不明な「安全対策を施して」運航を再開した後も、続いている。使われているGSユアサコーポレーションが製造したリチウムイオン電池は、三菱自動車のハイブリッド車にも使われており、過熱発火したり溶けたりするトラブルを起こしている。産業用として量産できるようになったことで、JR貨物のハイブリット機関車や電車にも使われ始めているらしい。

 小型で容量が大きいものが開発されたて、携帯電話やパソコンにも利用されたが、様々な安全技術と対策をしたのにもかかわらず「発火事件」が相次いで大規模回収になった。こうなると、リチウムイオン電池への信頼性が薄まってくる。会社は「何にでも使える、本当の意味での量産ができるのは10年後くらい」という話をしているという。大丈夫という見極めは、シロウトにはわからないが、結果として現在のものは「実験台」か、でなければ業績優先のやり方かと言いたくなる。

 大橋ANAホールディングス会長は「飛行機は一つのトラブルもなくずっと飛び続けることはありません。6月から定期便(ボーイング787)の運航を再開しましたが、これまで欠航に至る不具合が13件発生(729日時点)しました。とはいえ安全に差し障るトラブルはありません。ANAの就航率は99.3%。これは千回飛んで七回程度何らかの原因で運航ができなかったという意味です。一連のトラブルの原因は、リチウム電池に関わるものと考えられています」と語っている。

 814日には、出発準備中にエンジン用消火器の誤配線が見つかり、修理を行った上で出発という事故も起こした。ほかの機にも複数あったというから、リチウム電池以外の製造にかかわる原因もあるのかもしれない。
 リチウムイオン電池も危ういが、ボーイング787が、これまでエンジン・電気系統油圧バルブの異常、窓ガラスひび割れを起こすトラブルを起こしていることをみると、機体の軽量化、新エンジンの使用その他で、20%の燃料消費ができる航空機というメリットも、抱えるリスクが相当高いことと引き換えているように思える。