2012年4月10日火曜日

平和は軍事力とは相容れない


 北朝鮮が強行しようとしている「ロケット」発射は、人工衛星発射にみせた、弾道ミサイル開発の実験だろうと、現地を見た韓国の当局者が話したと報道している。

 先端に載せる衛星も実用とは見えないらしい。「国威高揚」を必要としているのが北朝鮮。軍備優先で科学の発達の分野でも遅れていることを、なんとかしたいと思っているのだろう。

 軍事的解決でない解決努力を各国がすすめているときに、日本は軍事的対応をハデに準備して、「過剰対応」と批判されたりしている。

 日本の人工衛星の開発、研究は平和目的に限るというこれまでの規範を破って、軍事的利用へと公然と変えていく意図。日本がつくってきた最先端の宇宙技術や技術者を軍事のために動員できるように、JAXA法を「平和の目的に限」らなにようにしようとしている。

 北朝鮮行為をも利用して、日本も軍事力強化に向かうのでは、同じ穴の狢になってしまう。自衛隊への印象が大震災後は向上しているとの世論調査だが、「国民の財産」でなく「国土」をまもるのが自衛隊の本分。

 災害出動はありがたいが、その限りの自衛隊でいて欲しい。今回の各所へのミサイル配備で危ない役割が見えてくる。さる天文学者の言葉。「日本は高い技術を持ちながら、絶対に軍事利用はしないと宣言してきた。だから世界から尊敬されている。高い技術と平和憲法こそ、本当の抑止力ではないだろうか」は素晴らしい。