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2020年12月2日水曜日

高層ビルとトンネルのためには頑張るニッポン??

 日テレ跡地に超高層ビル計画で地域二分近隣の女子学院・大妻・雙葉が異議 「ここは赤坂じゃない」 (東京新聞)

~この町に必要なのは「にぎわい」か「静寂」か。東京都心でも屈指の高級住宅街として知られる番町地区(千代田区)で、日本テレビが本社跡地に計画した超高層開発の是非を巡る住民を二分した論争が起きている。地域の顔となってきた名門女子校も声を上げた。~

 あちこちで「開発」という名の、都市改造が進められている。調布の「40メートル以下の大深度」の陥没事故は、ネクスコ日本が「原因不明」でも責任をとって調べるという奇妙な対応をしている。地下トンネルの工事の影響の責任を頬被りして済む、とでも思っているのだろうか。

 必要性を全く無視した北海道新幹線も、トンネル採掘土壌から有害物質の重金属が出ているという。リニア新幹線のトンネル工事では、上から掘っても下から掘っても発生する湧き水の処理ができないとの問題が起きているとか。

 地上も地下にも莫大な資金をつぎ込んで、これまでどおりの経済成長をとの目論見はもう古い発想ではないのか。ためらいもなく都市集中を加速させる近視眼的で未来はあるのか。「コロナ禍」がなかったとしても、経済成長率は、コンマいくつかの状態ではないのか。「開発」にのめりこんで、人と自然の共生を壊し日常生活さえも脅かす。価値ある文化も平気で遠ざける負の遺産を増やしていくようでは、残っていくツケはあまりにも大きい。


2020年11月20日金曜日

ハマグリは文化を綴った

 九十九里で多量に打ち上げられたハマグリが、地震の前触れかという説の報道がされている。これも海水温上昇などの気候変動の影響かと推測してしまうが、本当の理由は、千葉の水産総合研究センターが、これから調査をすることになっているとのこと。

 しかし、東京湾では絶滅危惧種、相模湾でも漁でとれたということはないとされるハマグリが、大量に生息しているとの状況を聞いて、ちょっと嬉しい気もしてくる。ハマグリの漁獲量では99%が輸入というところまで、生息環境が変容をせまられてしまった海の環境は、もはや東京湾の潮干狩りではシナハマグリをばら撒いて、ようやく体裁を保っているだけだ。

 まだ浅瀬があったころの浜辺で、海水に足だけ浸って足先で砂をほじくって、ハマグリを獲ったことを思い出す。もう豊饒の海という言葉も絶滅してしまうのだろうか。つるつるした貝の表面は上品で、味はもちろんとてもいい。殻を捨ててしまうのがもったいないほどのものだった。

 平安時代にはハマグリを使った遊びがあったという。ハマグリの殻がしっかりしているので、元の殻同士でないと合わないことから、「貝合わせ」の遊びがカルタの原型になったのだといわれる。合わないことをもって、「貝合わせ」でハマグリの殻が上手く合わずしっくりいかない様子を「ぐりはま」(つまり「はまぐり」をひっくり返した)と呼んでいた。

 江戸時代初期から使われていた漢字辞書「大言海」には、「蛤」の文字をひっくり返した文字を使っていたとの記録があるとか。現在の「グレる」との言葉もこのグリハマからきているらしい。

広辞苑にも「ぐりはま」が載っていた。

―(蛤の倒語)物事の食い違うこと。物事の逆になること。ぐれはま。―

「ぐれはま」…ズレてるまったくずれてる、なんだこの国の政府のこと! 

2019年12月26日木曜日

「ホタルイカの身投げ」と称する文化


 溜まっているビデオを見ている。「ニッポンの里山」、「新日本風土記」は各地の自然と人の活動の姿を映している。綺麗ごとみたいな側面もあるが、日本にある素晴らしい自然や豊かな文化を取り上げている。できればいつかは写真を撮りに訪れてみたいと、思うところがたくさんでてくる。
 とはいえ、北海道のなどの自然といわれても、なかなかいかれるものではない。とりあえず「夢」にして頭の隅に置いておくしかない。

 ビデオのうち、富山湾のホタルイカの漁を取り上げたものは印象的だった。3月から5月にかけてホタルイカが産卵のために浅場にやってきて、産卵後深場に戻るホタルイカを定置網で捕獲するという内容だった。漁師は稲わらで編み上げた網を、定置網にして追い込む。ホタルイカは網の目が体の数倍もあるのにくぐることはなく、誘導されて袋の部分に入り込んでいく…。漁のあと残された藁製の網には、海藻が付着して繁殖し小魚などの棲み処にもなる。藁はやがて海に溶け込んでいく。

 プラスチックの投棄、海洋汚染が大問題になっているとき、自然との共存が考えられていたことに驚いた。稲が機械で収穫されることで、藁が手に入らなくなっているとのこと。自然との循環がどこかでボタンを掛け違えている気がした。

 NETで富山湾のホタルイカ情報を補足したところ、この時期の観光や、4月の祭りやらが紹介されていた。闇夜でホタルイカが産卵した後に方向を見失って、波に押されて浜に乗り上げることを「身投げ」と紹介している。観光のひとつの目玉としているらしい。ホタルイカの「目」を口で飛ばして「競技する」という催しもある。これが現代の娯楽、笑いの文化なのだろうか。茶碗に残った米粒を「ちゃんと食べろ」と怒られた世代からは、そこまでやるかという気がする。

 富山県農林水産総合技術センター水産研究所の調査では、2019年の予測で漁獲量減少となっている。水温の上昇が大きい年は漁獲期が短くなると…。温暖化の影響が自然界に圧をかけている様子がうかがえる。





2019年1月22日火曜日

ビルだらけの町から何が生まれるか














 

 17日にこのブログで書いた「「建設」の嵐とでも言っていいのか、ビルだらけの近所」の投稿記事は、昨年731日に撮った写真を使ったが、その後完成した公園とその周囲は、びっくりするような変容が起きている。撮影した時から5か月以上もたっているのだから、公園の隣接マンションは相当出来上がっているものだろうと思っていた。

 確かにそれは完成間近に見えた。そればかりか、その周辺の住宅ちでは建設の予定の看板を掲げているところがあった。十分立派な構えの住宅なのに3F建ての住宅にすると…。

 それに加えて公園の正面反対側にあった「旧家」はすっかり取り払われて、更地となってマンション建設を予定しているようだった。都庁が展望できる「絶好の位置」を…というコマーシャルが使われるのだろうなという気がした。都庁を建設する前に、「副都心建設の起爆剤」というセリフが使われた。「爆」とは穏やかな言葉ではないが、その変容に飲み込まれていることを、目の当たりにした。

 40年も昔だったが、黒塗りの車から「…料亭はどこ?」と声をかけられたことがある。今やその残像を探すのも難しくなってきたが、子供が小さかったころには、芸者置き場もあった風情がもう絶滅状態。

 これからどういう町になっていくのか、どういう文化を生み出していくのか?私には、いわば「破壊」から新しいものを作るという意図ばかりが先行しているようにみえる。時代の変化だから、ただ受容するということだけしかないのだろうか。

2018年12月30日日曜日

奈良公園にホテルいらない


 11月に4人で奈良を巡った。紅葉を追いかけてのことだったが、終わりかけた紅葉が寂しさを感じさせた。それを切り取るのも“写真や”の腕だと強がりを言いながら、お寺を訪れ、小路を歩き回って日本の古い文化に触れた。

 本当は歴史を味わうほどには触れてはいないのだが、知らないなりにも古さゆえの表情から、わからぬなりの想像力を働かせて、「ウン、なにかある」程度の感動を得ることはできる。

 時間を積み重ねてきた重みをわかりもせずに、カメラに収めるのも礼を欠くことではある。あまり考えても足が動かなくなるので、そこはいるも折り合いをつけていく。

 撮った写真はまとまりができないままブログに載せたが、家に戻ってからまもなく「奈良公園にホテル建設」のニュースに接した。奈良を訪れた二日目に現場近くで写真を撮っていたのだった。

 「奈良公園のホテル建設に反対」する住民運動の先頭に立っているのは、モンベル創業者の辰野勇さんとのこと。NETで見てみると、奈良県が極めて熱心に建設を目指しているらしい。反対の声を聴かず推進するところ、いずこもある眺め…に感じる。

 せっかく出かけていくのにホテルを撮れと言うのか?「観光立国」などと4000万も海外から日本に呼びこむというが、これでいいのかと大いに疑問だ。だいたい、海外より日本人が観光に気軽にでかけられる賃金なり、休暇取得なりの処遇をよくするのが先ではないのか。


奈良公園の架橋を守る会HPから切り抜き
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県= この計画に対して「反対者はいない。むしろみな喜んでいる」
◎ 県は奈良公園整備計画検討委員会(貴庁の担当官が「アドバイザー」として出席されている)において、県が住民説明を行う前から「住民の反対は無い」「むしろ賛成意見ばかり」であると説明されています。これは県による虚偽の説明です。このような「ホテル建設ありき」の「県の意向に誘導する」審議は不当です。民意の絶対的多数は「反対」です。住民説明会会場での発言者の意見の100%が懸念や反対でしたが、その事実を県は黙殺しました。さらに県は、「建設に賛成ありき」の説明会でなければ、以降話し合いは持たないとまで明言され、わずか二度の説明会以降、住民との接触を断絶しました。これを受けて、私たちは「高畑町住民有志の会」「奈良公園の環境を守る会」を結成しました。そして開始した「署名活動」における民意(3万筆以上)をお聞ききとどけください。
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http://www.nara-park-mamoru.jp/menu167/

2018.12.28現在の対署名数
オンライン署名 25000目標にもう少し