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2025年10月7日火曜日

鴨が逆立ちするのは潜れないからという悲哀

神田川の橋からのぞいたら鴨が逆立ちをして水草や水中にいる生物をあさっていた。ちょっと面白い格好して愛らしくもあるが、いままでそれを見てもそういうものだと思っていた。なぜなそういう格好をするのかを知らなくて、ボーっとしているのを怒られないようにNET検索してみたら、水に潜れないということなんだそう。

越冬のためにやってくる鴨をこの暑さの中で見ることができたのは、「冬が近くて」涼しくなる幸運の使者ともなる。しかし気の毒なことには、神田川の切り立った三面張り水路では、堆積の少ない流れに薄汚れた水草が揺らめいているだけで、昔ながらの「川」であれば繁殖しそうな「動物性たんぱく質」は、鴨の口に入りそうもない。せっかく遠くから訪ねて来てもこれでは栄養失調だ。

これも都市の悲哀なのか、豪雨をしのぐ災害対策が優先されて生物の生息環境に手を回すことはほとんどない。上流部には環境に配慮した造成がされているところもあるが、都会部が近くなるにつれて有様は水路オンリーといった格好だ。(新宿に「親水テラス」施設がある)

鴨の気の毒さは他にもある。「他の野鳥に比べて動きが遅く、捕まえやすい鳥であることが災いして、利用しやすい人や騙されやすい人の比喩として「カモ」と使われること。「ネギしょってこい」はよく使われていた。いまの社会状況はずっと深刻で「カモ」にされることは、これでもかというほどある。鴨にとっても非常に不名誉迷惑な話だ。

元々は徳川将軍家や有力大名家が行っていた伝統猟で、明治時代以降は皇室が維持保存を行っている鴨場の猟では「貢献」している?

鴨場(埼玉と新浜)は、内外の賓客接遇の場としても実施、毎年1115日から翌年215日までの狩猟期間に招かれた閣僚、国会議員、最高裁判所判事や各国の外交使節団の長等がこの独特の技法で自ら鴨を捕獲…

維持保存しているとのことだが、人間の食餌から解放されたのはよしとしても、我が方の身の上を考えると「税金使用」だからね。

訓練したアヒルを使い鴨を猟者が潜む直線的な細い水路に誘導し、飛び立つ瞬間を網で捕獲する。水路で飛翔方向が限定されるため、網を振るだけで子供でも容易に捕獲が可能である。その後捕獲した鴨は国際鳥類標識調査に協力するために種類・性別などを記録し、標識(足環)をつけ放鳥される。

のだって。三番瀬で野鳥観察をつづけている団体(三番瀬セットワーク)はあるけど~




2022年11月18日金曜日

島を削ってどこへいく土砂

 呉の島をめぐっている途中に見た山を削っている現場は、こんなところまでかというショッキングな風景だった。自然環境を壊しているという、どこにでもある見慣れたものではあった。じっくりと歴史をつないできた島の時間の流れに、「都市再開発」の強引で横暴な牙が爪を立てている…と見えた。かつては瀬戸内海の砂を採ってはならないという反省もあった。そしたら山か?

 風景が損なわれていることが地球温暖化を加速させる方になっているのではまずい。日本の経済成長の悪しき有様がここにもあった。経済成長を金科玉条にして、株価の心配をすることばかりでは、持続的な社会を望むのは無理だろう。歴史的遺産、今あるものは大事に残してほしい。その時代に興隆した文化を振り返り、次の時代を慮ることを忘れてはいけないと思う。

 「改変」が、さることのにためにするのであっては「破壊」にもつながる。呉の旅、ほんの一部を周っただけだったが、これだけの「歴史的遺産」が残っていて、触れることができたのは価値のあることだった。いくつか見残したこともあったので、機会があればもう一度行ってみたい。






2022年3月3日木曜日

写真展の作品、撮った写真の見直し「発眼卵 埋設放流」

 写真ゼミ例会で展示会に出す作品の選び出しをしている。そのためいくつかの候補群を出した。立派な写真がたくさんあってという具合ではなくて、撮り散らかっているものの中から「立派であるべき」ものを引っ張り出すという作業なので、断捨離みたいなもの。

 いらないものの取捨選択を自分ができないものだから、組み写真で無理やり何種類か候補を出してみたということ。情けないが、そんなここともある写真の面白さは深いものだと思う。それは写真には限らない。例えば「華道」であっても時代に相応したものに変化があるだろうし、その美の表現は発展して変容していくのだろう。

 「そうだよ、これだ」という評価をしてもらえれば最高の喜びにもなろうが、それは「高み」の話で、そんなことにも望まないにしても「まあ、そんなもんか」、という言葉でもいただければ望外ということにするのが身の程ということだろう。

写真展候補で引っ張り出した一つは「発眼卵 埋設放流」

 所属しているつりの会(東京勤労者つり団体連合会)で、毎年「発眼卵 埋設放流、かご回収」活動をしている。自然保護をとの観点を釣り活動の大切な活動の一つとして40年近く続けている。こうした記録的な活動は、ここに限らないが釣りの会として日本全体ではそう多くはない。

東京都島しょ水産センター(旧奥多摩分場ニュース)の記述

「ヤマメ発眼卵埋設放流は、平成10年から多摩川上流部の奥多摩漁協、小河内漁協、氷川漁協の放流事業の一環として実施され、それ以前からヤマメ発眼卵の自主放流を行っていたJFF(ジャパン・フライ・フィッシャーズ)東京都勤労者つり団体連合会、東京渓流釣人倶楽部の三団体が放流作業をボランティアとして行い、水産試験場奥多摩分場が技術指導を行うという二機関と3つの釣り団体合同での実施となった」

  御多分に漏れず高齢化の波で、事業継続が難しくなってきた実情がある。「発眼卵 埋設放流」事業につりの会として初動からボランティアとして携わったことは特筆されてもいいと思っている。自然保護の見地を先駆けとして40年近く前から取り組んできたのはその意味で大きな誇りともなる。

 この写真が記録として残せないかと、引き出してみたが、組み写真の表現や魅力にもうひとつ迫っておらず、候補選外となった。写真展に向けてという意図での撮影としては、ちょっと物足りなさがあった。残念。






4月のかご回収のとき、流れに浮いていた。成長したものなのかどうか不明。