2013年2月11日月曜日

「福島第一原発風下の村」森住卓さんの写真を見に行った


 森住卓さんの写真を見に、新宿まで久しぶりに出る。休日につき人が多い。東口の駅前で、喫煙場所があって煙草をくゆらした人が大勢集まっている。面白い景色だと眺めながら、タカノビルに入るとこれまた、エレベーターが混雑している。展示会場は、こういう催しの割には、賑わってひっきりなしに出入りがある。受付が順番待ちだから、飛ばして見始める。

やっぱりうまいなプロだから、視点がきちんととらえてキチンと撮る。熱い思いというか、主張があって思いが伝わる。途中で鼻水がでたりして。写真はそれに、撮っている時の余裕が伝わってくる。がつがつしたものでなく、写り込んでいるものに優しく接しているようにも見えた。隣でやっている写真展をみて、余計にそんな感じを持った。隣の写真展も拙いというわけでない。よくとられているものだったが、一枚違っていた。ああいうふうに撮りたいものだ。

いくつか点描
□「原子力が明るい未来のエネルギー」の看板の前、人を疑いの目で見る顔つきの犬
□出荷停止したタラの芽、空には暗雲
□東電の説明会に集まった人々の顔、「社長なんで来ねー!」
□ガリガリに痩せて波打ってる牛の背 
□ミルクを捨てるために掘った穴は、もう沁みこまずにたまっている
3号原子炉、大きなデコレーションケーキに熱湯をかけたような壊れ方
□汚染土を集積し、被せたシートが鈍い光を反射している
□昨年6月、微笑みが少し見える家族の様子
□朝玄関を出て、お盆にものを載せて運ぶ人 朝の光がやさしく射している