2015年11月7日土曜日

紅葉と雨と温泉

 娘に付き合ってもらって、1016日に山梨県の早川に写真を撮りに行ったとき、コメの取り入れをしている小父さんが、早川の紅葉はいいよと誇らしげに話していた。娘と、それなら紅葉の時に行ってみようという話になって、112日の都合がいいということで出かけることになった。これも写真を撮るのが目的ではあるが、温泉に入るのももう一つの楽しみということで、娘とデートの運びとなった。

 しかしなんとこの折が、バッチリと雨という予報で、まあ少々の雨なら仕方がないと、雨予報が少しでもズレでくれることを祈りながらの出陣だった。写真撮りも少々の雨なら、そのくらいの備えはある。釣り用の「編み笠」をこの新調した。60センチ程度の直径がある大きさがあるので、カメラを構えてもちょっとくらいの雨ならいける。だがしかし、天はその備えを超える降り模様。考えたあげく、車の中から撮ろうという発想にたどり着いた。

 このアイディアにもかかわらず、天は驚きもせず一向に雨脚を止める気配がない。申し訳程度に小降りになった瞬間を見計らって、紅葉の早川をカメラに納められたのは幸いだった。カメラマンとしては、雨でもヤリでもと現場主義の構えでいくと心に収めているが、この紅葉を晴れの瞬間に見なくて何になると娘が煽った。

 そりゃそうだと思いつつも、いや翌日は写真のゼミがあったと迷った。昼過ぎには帰ることができそうというもくろみ成り立ちそうで、衆議一決で泊まることに決定した。温泉に入ろうと前回と待った温泉宿で、空きはないかと尋ねたところ、予約で一杯だと言われ、それではと風呂に入る前にスマホを駆使して早川周辺をあたったところが、いずこもダメ。ああ、紅葉シーズンだからとやっと思い知らされた次第。結局早川からはずっと離れたところにあるビジネスホテルということになった。

 翌日、朝方は雲が残っていたが、どんどん天気が良くなってゆき、黄色と赤の紅葉の切り取りができた。雨模様と晴れた合間の紅葉狩りは、普通ではできない贅沢なものになった。蕎麦屋さんに帽子を忘れた以外は、満足の日程延長だった。