2016年6月27日月曜日

しかしこんなに早く動く時代ってなんだ その2

 時間が早く過ぎていくのは、「歳のせい」と自己診断しおくとして、身体も頭の動きもゆっくりズムで推移するから、周りが早く動いているように感じるのだろう。それもあるには違いないが、そればかりではない。パソコンだって起動してから動かすまでに、立ち上がりに時間がかかる。その間にコーヒーでも入れようかということになる。それでも2分弱のことなのに、おっとりと待つ気にはならない。
 
 急がなくてはならない環境にはないはずなのに、電車がどんどん来ないと、何をやっているのかとイラつきに近い気分になってくる。ゆっくり、かつじっくりと物事に取り組みたいと思いながら、なぜか追いかけられるように忙しく暮らすところとなる。何かを残していくという大仰な人生でと気負っているわけでなし、胃が痛くなるほど入れ込んで難しいことに取り組むわけでもない。当たらず触らずのやり方でいいのだし、安寧の時がすごせればそれでよい。それが有り様なのだと思いつつ、残っている脳細胞に程よく刺激を与えようと思ってはいる。

 急に飛び上がっては、降りるとき場合によってはケガにつながる。沢沿いの、足元に石がゴロゴロしているところで、最近よく転ぶ。竿をもって仕掛けが枝にからまないように、一歩一歩足元を確かめながら歩いている。先日も危ないからと、自覚的に慎重に歩いたのはよかったのだが、釣りを終えてから竿をたたんで、歩き始めた途端に転んでしまった。備え以上に集中力も衰えているのだと、渓流釣りも命がけみたいな領域に入ってきたのかと、暗然とした思いだった。もちろん仲間には見栄を張って、自分を笑って報告した。

 結局のところ緩やかでないと身が持たないのに、なかなかそういうわけにはいかない。まあ自己責任ということになるのだろうか。忙しいのは世の動きが速いことが、もう一つの事情にある気がする。都知事問題でも珍しくテレビが競って問題を報道し始めたと思ったら、あれよあれよと見る間にもう辞任までいってしまった。もっともこれまで、政府閣僚、議員の「不祥事」が嫌というほど表面化してくるのに、一向に追求できない腹イセもあるから拍手喝さいみたいな気分だ。「癪に障る」ことが多くてうんざりしている側からしたら、一矢報いたい気持ちが増幅しているわけだ。

 ついでにこの際、参議院選挙もあるのだから、きっちりと清算するように「自主規制」を超えて報道しまくってもらいたい。と思っていたら、また覚せい剤報道だ。覚せい剤4グラムが多いの少ないのと、いったいだからどうだというのか。6ケ月も前から内定していて今この瞬間かい?しかもラブホテルで逮捕というセンセーショナルなおまけ付きだ。そんなことより、「イギリスのEU離脱を見抜いていた」という大嘘を記事にしたら面白いだろうに。嘘は大きいほうが人をだませるというが、黙っていたら犯罪に手を貸すようなものだ。その手の嘘を蔓延させるのはいただけない。