2020年12月27日日曜日

クロマグロに、ミカンを食わせてまでも刺身を食う

 魚類の養殖が食に貢献していることは違いないが、なにかひっかかりがある。魚が自然再生していないことには大きな問題がある。魚はいまや大方が養殖だよりになった。カロリー過多とメタボ指標に追いかけられる身であれば、「養殖してまで食べる」ということとは、矛盾することではある。それでも美味しいマグロの刺身を食べるのが大いなる楽しみで、口に運ぶのをなかなか止められないのが率直なところ。

 ブリの養殖はかなり以前から盛んに取り組まれて、近海の漁獲量の低下を穴埋めするみたいなことになっている。宴会で皿に盛られた刺身を見ながら、イワシのミンチに抗生物質をたらふく混ぜられた餌を食ったマグロかな?などと考えると、ちっともお酒がおいしくなくなるので、そのときは忘れることにしている。

 クロマグロの養殖ではミカンを食べさせるのだという。生臭さも魚の持ち味だと思うけど、美味を手にいれようとする人間の勝手さ、というといいすぎかな?減り続けている漁獲量規制の枠づくりが懸命に議論されている。「人間側の横暴」で魚の生息環境が悪化し狭隘化される一方で、漁獲高の競争が激化していく。

 挙句の果てには人工の場で制御させられるとは、まるで生き物の豊かな生態系など、お構いなしということになっている。美味しさとか好みとかの追求をすることを当然視するばかりでは、自然の再生の循環を掻きまわし、壊していくことにつながるのではないか。人が摂取する総カロリーと自然界から摂り入れるカロリーのバランスのようなものを考えて、合理的なスタイルを構築することが必要ではないかと思う。


太平洋クロマグロの資源管理をめぐる国際会議

AI活用した養殖技術の開発も クロマグロの資源管理の強化が引き続き求められる中、マグロの安定供給に向けて養殖の効率化を目指す取り組みが進んでいます。このうち、大手商社「双日」の子会社では、長崎県の日本海沿岸にある養殖場でAI=人工知能を活用した養殖の技術開発を行っています。海水温や海水に溶けている酸素の量、天候などの膨大なデータを収集して、AIによってマグロが食べる餌の量との関連を分析し、最適な餌のやり方を見つけ出そうとしています。また、生けすの水中の映像から魚を1尾ずつ認識し、マグロの数や成長度合いをより緻密に把握する技術も取り入れる予定です。