6日からはじまった視点展が13日で終了した。いつもの皆さんから過分の鑑賞を授かって、お礼を尽くすこともさておいて、「コミュニケーション」だけはすすんだ。
ぼーっとしてきた人生に、写真展のなにがどうだったのかより何が動いていたのかを思い返し、この機会をどう消化したらよいかを思う。
入賞した写真は偶然に等しかったが、用意した複数枚中の作品からを選ばれればいいなという気がなかったわけではない。でもこれだという確信のある押しにはまだ自分の力量が及ばないのが率直なところ。
ただ、墨田川の船を作品に用意した時に「タイトル」は懸命に考えたつもりだった。築地の跡地の写真を撮るのが目的で、ぐるりと隅田川を挟んで巡ったときに折よく川を走る船を見つけて、面白いなと一瞬思ったものだった。そのとき「いただき」とまでは考えていなかった。
面白くはあっても写真展の作品としてどうかは未知の世界だった。撮りに歩いたのは12月のやけに暖かい日で、汗をかきながら歩いていたから、もう「春のうららの…」の言葉は自然に下敷きになっていた。あと付け加えるのは「舟人」でよかった。
ただ、滝廉太郎の昔は上り下りの舟人だったけど、カメラに映ったフネは、もっとおおきいものだから、「船」とつけさせてもらった。このタイトルっていけるんじゃないかと思った。確信はそこだけだった。しかし、うれしいことに入賞と判断されたのは「タイトルの良さ」もあったとあとから聞いて、やりがいが後付けされた。
~うららの船人~