2014年8月22日金曜日

開発と言う名の自然破壊になるのでは

 広島県の<土砂災害危険箇所>特別警戒区域の指定が遅れているという記事があった。

~「特別警戒区域」の指定は、320か所と全体の2・7%にとどまる。同課は「警戒区域の指定を先行させ、まずは住民に危険箇所を知ってもらうのが狙い」としているが、新築時の建築確認など規制や制約を伴うため、「地価下落や風評被害を心配する住民の反発を避けたい」との思いもあるという。
 特別警戒区域の指定も、住民の同意を得る必要はないが、県は「納得してもらった上で指定したい」と説明を尽くす方針だ。このため、警戒区域との同時指定を目指す、ある1市約20か所については調査から1年以上経過しているが、警戒区域に指定しておらず、特別警戒区域の指定にはさらに時間がかかりそうだ。~YOMIURI ONLINE  

 昨日のブログで指定に反対すると、行政側が指定しないと書いたが、広島県は「反発を避けるために納得してもらって…」というやり方をしていると、事実上反対があれば指定しないと述べている。住民にとって地価の下落を心配するというとが、本筋なのだろうか疑問だ。16年前に起きていることへの教訓はどうしたのだろうか。

 広島市の住宅開発は、丘陵地を利用したものを重点的に描いている。これが、広島西風都市という名の開発計画によるものらしい。土砂災害がひどかった安佐南区がこの都市開発に組み込まれている。
 ここは市街地の原爆ドームの前を流れる大田川の上流部が、婉曲して囲んだエリアになっている。被災地の広島市安佐南区、安佐北区の航空写真をみると、低い山のいたるところがおおきく掘削されて、住宅地として開発されているようだ。山頂付近の住宅の一群に単独の「丁目」がついているところさえある。こんな開発でいいのだろうか。

 グーグル地図→広島市安佐南区

 航空写真では、山や森の役割をほとんど無視しているように、「人のテリトリー」を拡大している。むりやり山を削って痛めつけ、ヒートアイランド現象を増大させること、このリアクションが今の破壊的な豪雨の元になっていると言えるのではないのか。人が住み続ける場所の造成は、本当は「山のエリア」ではないのか。ないがしろにしているツケ、そんな風にも思える。


ひろしま西風都市開発推進協議会→ひろしま西風新都




(昨日のブログで「京都」と記してしまった。他、不正確だった部分を訂正した。)




2 件のコメント:

  1. 西風新都は安佐南区ではあるが今回の被災地とは離れた場所のことです。西風新都の開発構想はこの地区のことで他の地域の開発とは別に考えるべきでしょう。google地図では八木を示していています。いずれにせよ広島市の平地面積は100万都市にはあまりにも狭く八木地区のような古い開発団地は山際の処理がお粗末すぎることは間違いないでしょう。
    http://www2.wagamachi-guide.com/hiroshimacity/map.asp?dtp=3&odtp=4&ll=&mcf=&mpx=132.4968197&mpy=34.4819119&mps=20000&mpsw=688&mpsh=675&mtp=1
    に八木地区の土石流危険情報があります。問題は警戒地域の指定もさることながら、想定を超えた範囲まで土石流の影響を受けていることです。これらの地図情報は住民には知らされているはずですが配られたものを保管しているかはわかりませんね。いつでもPCあればこのように見れますが知らない人が多いでしょう。洪水を含め防災情報で問題ない地区は数少なく広島は人が住むところではないのかもしれません。

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  2. ご指摘ありがとうございます。地域的には違うところなので、その意味では正確な表現でなかったと思います。西風新都の開発構想は、最初の動きは昭和46年からということで、一度凍結された後解除され、再計画されたとのことで、相当古い歴史を持っているようです。八木地区など、災害にあったところで新しい住宅が目立ちます。この地域の「宅地開発」にあたっても、西風都市構想の影響を受けた動きともいえるのではないでしょうか。なにより、どちらも山や森を痛めてしまう結果になっていることと、起きた災害に暗然とした思いがしています。

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