2025年10月31日金曜日

迷走熊の退治、邪魔者は消せだけでは。

 エサを求めてあちこちに出没する熊退治に、警察がライフル銃でというようなことが考えられている。そもそも中山間地から人を追い出してしまったのは、人間側の事情による。中山間部放棄させた減反政策が大きなひとつの要因になっている。

現在の農家数は

総農家数 175万戸 78万戸       44.7%

総土地面積 3,780万ha 2,412万ha 63.8%

と農水省のサイトで説明されている。いまでもこの割合が「山際」にあるのだから、減反政策によってどれだけの農家がなくなってしまったことか。「耕作放棄地」は偏在しているに違いない。平地であれば大規模法人化が可能だけれども、中山間部はそうはいかない。小規模農家が懸命に生業をしているので、拡大は望めない。

耕作放棄地は東京都の面積の5倍になっているそうだが、そこはたぶん熊、鹿など動物の行動エリアになっているのではないだろうか。人間の場合もコメの高騰で食糧難がある。基本は減反転作によるもので、だからコメの増産へという話が、政府が変わったらコロッと手のひらを返して、「需給によって」とどこかで使われた「行政の継続性」など知らないような扱いにすると言っている。

何年も前からその兆候があったにもかかわらず、被害を顧みずに今になってしまった対策を「遅い」という批判がされている。12人も亡くなってしまったのは、手を打たなかった政治の責任を免れない。山の「実り」に影響する温暖化への対策も、地球規模でも目標を設定することさえできていない。

テレビ映像で見る熊の行動は、必死そのものだ。山にエサがないのは疑いないが、増えた熊を結果として「放任」してきた。自然との共生は大事なテーマであり、もっと議論する必要を感じる。自然界には負荷をかけ続けてきた反省も踏まえることも重要で、邪魔者は殺せということだけでは、共生は成り立たない。








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