2012年3月26日月曜日

あまやかしは危険


 「電力会社の料金値上げは会社の義務というか権利にあたる」という台詞(セリフ)は、石油ショックの時、日本石油の社長が「千載一遇のチャンス」と言って、国会で追及されて社長交替せざるをえなかったことを思い出した。今回はそれ以上の大きい背景を持つものだから、普通の神経であればそういう言葉が出てくるはずがないことだ。

 一企業が全く自由に政治に介入して、営業に有利な政策や対応をするから、「優遇」に慣れきった立場からの神経ができあがっていると見える。そのうえ、料金値上げは契約ごとだから、更新までは旧でいいという話しは聞いて唖然とする。ただし、枝野大臣が政府の監督者としていくらびっくりしたとしても、国民の側から指摘されていたのでは話しにならない。

 以前に値上げしたときも同様だったのではないかという疑念も湧く。震災と原発事故の結果、日本の政治と企業、報道機関にずいぶんと関心が寄せられるようになった。でもマスコミはことの本質を追及する点では殆ど非力だ。

 先日の朝日新聞は、ジャイアンツの選手の報酬支払額問題で、面も割いて報道した。今必要なのはそんな問題でない。消費税増税と所得税増税の論戦ぐらいは報道してもいいんじゃないだろうか。税が所得の再配分機能をもっていることぐらい判っているでしょうに。

 3月11日に「原発の稼働に反対する」集会が各地で相当規模に行われたにもかかわらず、報道が差し控えられている。日本の将来や生活、健康にかかわることにもっと熱心であって欲しい。そんな報道姿勢でいるのは日本だけだろう。地方新聞はもっとまともな内容で紙面を作っている。

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