2021年6月29日火曜日

同等ではなくても、被ることに希望や安心は見えない

 アスリートの気持ちを第一に考慮するとは、今はさすがに言わなくなった。安心安全の五輪をどうやるかがテーマなんだと、五輪開催をどうしてもと異様にしがみつくことばかりが先行する。ここまでくる横暴さを論じても、足しにもならないが、モリカケ問題を筆頭に、引く継ぐ政権の「行動」からは十分に想像できるし、童話を見ているようにわかりやすい。

 アスリートの「みんなに喜ばれる状況で」という正論も、五輪の後のコロナ禍の様子を想像するにつけ、不穏な心持ちでの参加を迫られて「心技一体」が傷を負うことになる。なければないで、スポーツ番組に飛びつくことはない指向だから、そういわれればスポーツからは距離があるのかと顧みて思う。

 でも見るだけにしても素晴らしいアスリートの技は見たいと思う。たったその程度の付き合いだけど、アスリートたちの力が全面的に発揮される状態に欠けているときはどんなものなのだろうか。いるべき競技の相手参加者が欠け、感染検査を毎日求められ、行動制限を掛けられる。選手参加者の交流やいくばくかの「楽しみ」もあったものではない。

 この年の今回に向けて努力を重ねた練習が無になるのは確かだが、そうであればそれに代わるものを「どうしたらやれるか」という組み立てをする方向にいった方がいい。それが同等に代わるものではないだろう。でも、活かすという方向を目指すことはできる。アスリートには程遠い、圧倒的な見物のみの立場でも、このコロナ禍でどんな被害(「制限」や「犠牲」)を払わざるを得なくなっているかは言うに及ばない。



 

2021年6月24日木曜日

住宅地を飛ぶ旅客機の下も騒音競争

 最近はどこも穏やかさ失われ気味だ。「音の攻撃」がすごいと思うのは年とったせいもある。廃棄物を運ぶ業者が隣接していて、そのトラックの出入りの音が、静かな朝の雰囲気を破る。「騒音」と認定されるほどの音でもないのかもしれないが、直前には鳥の鳴く声も聞こえていて、わずかばかりの自然に浸る幸せを味わっていたのだから、うるさく感じるのは自分だけではないだろう。

 通りに出ていけば、車が行き交うのに徐行が必要な幅の道路なのに、ビルまがいのビルやマンションの建設工事、ひっきりなしの道路工事。はては電磁波ケーブルの敷設。賑やかさを通り越して煩わしい。コロナストレスに加えてか、そのせいがあるかもしれない。

 ところで、我が家のガス湯沸し器の調子が悪くなって、修理にとどまらず交換することになった。部品を交換すればとりあえずは…という選択もあったが、忘れているうちに使用年数もたっていることが分かった。なにせ新製品が古いものを凌駕する時代設計がされているので、長期に使って持たせるということも、危うい選択にないそう。それで交換ということになり、そういえばガステーブルもねーと一緒に交換することになった。

 ところが、神のいたずらかそこにとどまらず、キッチン全体の改修から居間の壁の取り換えまで、戦線が拡大していった。おまけに自室の照明もおかしくなってきて、自力でなんとかしようと、蛍光灯を買ってきて換えてみたものの、「三段切り替え」などといういらない機能が治らない。しかたなくこれもついでに…。で、工事が始まったら、取り壊しに、結構な騒音を近所に振りまくことになった。巣籠需要に我が家も見事に引きずり込まれた一席。



2021年6月20日日曜日

選挙の結果で変えたいと今回特に思う

 もう政治には期待できないと思う人が増え続ける。「無党派」が47%という最近の調査結果だ。まともに向き合わない政治が垂れ流すフェイクニュースを、ちゃんと対極から報じられないマスメディアの責任が大きい。政権の広報担当のようなニュースが、一部を除いて数多く流されて、「現実的な」隙間を探るのが使命と描くか、あるいは現世をわかりやすく二者択一では…という問題提起で塗りかえる。

 だから五輪強行は、もっともおおきな「やり遂げ感」を醸し出すのに絶好の材料になった。なったのではなく意図的に進められてきた。政治の重要な課題については、世論調査もそれなりにやるが、設問の組み立てによって誘導も可能で狙われる。それでも世論はわり方批判的な声が多数になる。そこまでは救われた気になるけれども、結局さまざまな強行採決手法で議論を打ち切って封殺し、悪法を成立させる。一般的に言うとそうなるが、最近特に法案の質はえらく酷いもので「誤字脱字」があるだけでも驚くのに、柱だけの文言で成立させて、具体的な運用には議論のいらない政令で決めるという、およそ民主主義とは言えないやり方をする。

 はては昨年の国会会期期間が最低だったように、「腐敗」事件の追求を避けるためのサボタージュもする。コロナ禍で政府の対策に必要な国会の議論を避けるために、五輪期間中は閉めてしまうというフツーにおかしいと思うことが、平気で行われる。現在コロナで亡くなった人は14300人を超える。報道ニュースも目を凝らさないと死亡者数も把握できない。感染者数が減った増えたの発表が毎日されても、感染検査数を増やすと言いながら実は漸減のあり様。分母の検査数抜きに分子の感染者数だけ言ってもダメなことは小学生でもわかる。

 いったいどうしようというのか。とても「国」に責任を持つ気はないのだろうと思うのみ。ここまできて強引に世論を踏みにじって「五輪を成功させよう」で都議選、「コロナ感染を抑えこんだ五輪成功」で衆院選を乗り切るということか。これまでの政治は「無党派層」と「無投票者」が支えてきた。「日本死ね」のキーワードを又使うことがないように、考えていきたいものだとつくづく実感する。


 

2021年6月15日火曜日

年寄の勲章がひとつ増えた

  無呼吸症候群は高齢者の特権ということでもないらしいが、いろいろな障害を及ぼすという。子供に言われて医者に相談し、家での簡易検査をしてから一泊入院をして調べてもらった結果は、りっぱな無呼吸症候群らしい。高血圧や不整脈、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの合併症を引き起こすと物の本に書いてある。

 太りすぎが原因だということなのだが、そんな自覚がなかったわけではない。実のところ体重を落とすのはなかなか難しくて、カロリー摂りすぎが原因にもなろうからと、アルコールの量を減らそうと努力はした。ちょうど新型コロナ感染のせいもあり飲む機会は半分以下に減った。残念ながらそれでもなぜか体重減にはつながっていない。

 運動量の方は目下膝痛を招くに及んで「挫折」中だし、いささか困ったことになった。膝痛の状態が改善しているのがなによりの希望だ。高齢者の「医者だのみ」は増えるばかりで、義父の終盤には、ご飯代わりのような薬の量を用意されていたのを思い出す。医療費は増えていくばかりなので、懐もじわじわと責められてくる。

 医療費2割負担も決められてしまったが、公的負担がもっと可能だと思う。オリンピック施設関連費用は、最初8000億円程度だったものがどれだけ膨らませられたのか。ちょっと乱暴な議論だけど、社会保障に回す金(税金)がないなどとは言えないだろう。

一泊入院検査



2021年6月10日木曜日

ワクチン接種が100万回を超えたことにするさもしさ

 ワクチン頼みの新型コロナ対策で、「一日100万回以上」とぶち上げた。9日の午前中は「100万回」は未達成と官房長官が語って、その後未集計が加わって100万を超えたという首相の発言になったという(朝日新聞)。一日100万回を超えた根拠を問われて「どこで100万回というのはわからないが、このところ大体その数字になっている」。こう使われれば100万越えが独り歩きすることを読んでのことだ。デジタル社会を標榜していても、集計をリアルタイムにやっていない。担当者の人数の問題やらシステムやらの状態がおいつかないのだろう。だからといって見込みも含めて先走ることを政治家がやっていいのだろうか?

 予防接種が7月に高齢者で完了しても未接種のなかで拡大すれば東京も医療はひっ迫することになると京都大の西浦教授が専門家会議で示した。21日に緊急事態宣言が解除された場合8月中に宣言相当の流行になる可能性があると。高齢者の接種率にかかわらず、7月下旬から8月前半までに宣言が必要なレベルに達するとの予測をした(朝日新聞)。しかもここにインド型の変異種や東京五輪開催の影響は考慮していない。「オリパラは若者の夢」どころの話ではとうていない。

 五輪ボランティア7万人の予防接種は「実務的なことを今検討」、「特別な枠(IOCから2万人分)以外にも大規模接種会場を活用できるか検討」している段階とのこと(文部科学委員会畑野議員へ)。いま接種受けたとしても2回目三週間後、そのあと効果出るのが二、三週間かかるとされているのに、ボランティアの健康安全に心もとないよりはないに等しい。

 ワクチン接種が切り札といいつつ、11月末までかかることはマユツバなこと。不渡り手形はもういらない。切り札とはほかの手が前段にあることを言うのであって、医療体制、休業への補償、人流対策等効果的な対策を打たずに「30兆円ある」と言われても、安心も安全もあったものではない。

2021年6月6日日曜日

代々木公園の木が切られて喜ぶのはだれだ

 五輪開催のパブリックビューで代々木公園の木が伐採された。ニュースでは36本枝を切ったという。パブリックビューの設置場所建設に移動するトラック通行に邪魔なのだとかが理由になっているらしい。道路拡張やらオリンピック会場の建設やら、途方もない資金と税金をつぎ込んだうえ、貴重な「自然資源」まで破壊するとは、どれだけの五輪なのだろう。

 代々木会場はワクチン接種場所として使うと変更されたが、接種後は復活を狙うらしい。パブリックビュー会場は全国に227か所あるとのこと。どうしてもと突っ走っているだけの動機は、「経済効果」でありその追求に目が曇っているのだろう。無理に進めることでまたアスリートとの分断もすすんで、オリンピアの精神がほとんどだいなしになる。

 「ぼったくり男爵」には驚いたが、同時に痛快さを感じた。それなら「突っ込め」と号令する日本は「手配師」ということ。別に言えば「興行師」かな。祭りを仕切るテキ屋のほうが近いか。来訪する国の選手も体調のコントロールが大変だろうし、コンマ一秒の競技に影響がでるだろう。来られない選手も出ている。五輪代表が定める相手がそろわないオリンピックになってしまうのか。メダル獲得主義を旨とする日本の場合、「強豪不在」でよしとする結果を容認させることになるのか。もう公正なスポーツ競技にはならない。

 なによりコロナの感染拡大阻止は愁眉のこと。オリンピック開催の行程で感染が拡大するとの専門家の声も大きくなってきた。世論は大事にしないとどうなるか、都議会選挙も衆議院選挙もきっちりと結果をだしたいもの。

~ニュースで言われている「アスリート、チーム役員公式プレイブック」をのぞいてみた。選手と来訪者のワクチン接種は、お願いに留まっている。

「アスリート、チーム役員公式プレイブック」 ワクチン接種

ワクチン接種は感染対策に対して利用可能な1つの手段で、適切なタイミングと方法で行われます。IOCIPCは、各国で定められたワクチンの優先接種を強く支持しています。より多くの人々へワクチンが供給可能な環境となれば、IOCはオリンピックチームとパラリンピックチーム、そして大会に参加するすべてのステークホルダーにワクチン接種を呼びかけます。したがってIOCは各国・地域のNOCと連携し、アスリート、役員、およびステークホルダーが日本入国前に自国・地域のワクチン接種ガイドラインに従って自国・地域でワクチン接種を受けることを推奨および支援します。これは大会の安全な環境に寄与するだけでなく、日本の人々への敬意の気持ちから行われるものと考えています。既に多くの国の政府が、各国のNOCNPCと協議し、大会参加者へのワクチン接種に関して前向きに取り組んでいる。

注意: IOCは各国・地域のワクチン接種ガイドラインに沿ってワクチン接種を受けることを推奨しますが、大会参加に際しワクチン接種は義務ではありません。ワクチンを接種したか否かに関わらず、本プレイブックに記載されているすべての規則が適用されます。