2013年1月25日金曜日

産軍一体が教訓では、戦前に戻る


 高遠菜穂子さんは20035月にイラクに初めて入国し、その後、その当地で、NGOとは別に、個人の立場で、「人道支援」活動に関わった。イラク訪問した最中の200447日に、他の日本人男性2名とともに、「サラヤ・ムジャヒディン」と名乗る武装勢力に監禁されるという事件があった。政府の渡航延期勧告に従わなかった個人、団体の活動について「自己責任」についての議論が小泉首相等々から出された。(ウィキペディア)

 アルジェリア人質事件は、不幸な結末になってしまった。家族に心痛は大変なものだろう。マスコミが微細に報道するのはある面で当然と思う。と同時に、政府専用機を使って帰国とするという扱いが、トップのプラント企業だからかという思いも湧いてくる。人道的支援で活動していた高遠さんとの扱いの違いを考えないわけにはいかないだろう。


 その上、この機会を利用して、海外の「法人救出」には自衛隊を派遣するようにすると政府が狙っている。他国から見れば、軍隊が出ていくのは「軍事行動」だから、それだけで緊張を高めることに作用する。紛争地域に事業を展開することは、いわば私的な行動だから従業者の安全についても、企業が十分責任をもった判断をするべきだ。

 仮に、自衛隊の圧力のもとで、企業活動をしたとしても、危険は避けられない。エネルギー資源の確保のためにという、大義で働くことが「日本国のためになっている」と規定したら、産軍一体の海外進出が成立する、戦前のスタイルがまかり通ることになる。戦前の体制に戻るという、馬鹿げた国はどこにもない。