2016年3月8日火曜日

氷見線伏木駅操車場と北陸新幹線とのコントラスト

3月から開業した北陸新幹線によってか、到着した8日の金沢駅は人でごったがえしていた。開通によって訪問者が増えていることを実感した。これで経済効果が「いくらいくら」といソロバンがはじかれていることに地元は期待しているのだろう。実際レンタカーの従業員も車の貸し出しは増えていると話していた。

我々のように開通前から通っている者にとっては、身勝手ながら古き良きものの伝統と風合いが、改変されてしまうのではないかとの危惧が湧いてくるのが率直なところだ。

能登の旅の最終日に、たまたま見つけた操車場は、その陰の部分を見た思いだった。壊れて野ざらしになった車両、錆びた線路、枯れたつる草にとりまかれた小屋、陸橋がなんとも哀れげに見えて、4人で撮りまくることになった。かつては盛んに活躍した場所であったことは疑いないが、今は新幹線が3時間ほどで東京から来てしまうところで、時間が止まっているかのようにみえるのはなんとしたことか。

場所は高岡駅と氷見駅を結ぶ氷見線で、伏木駅の操車場だった。法外な力で忙しく過ぎている時間と、活躍の場がなくなって静かに佇んでいる朽ちた電車とを、どういう整合性をとればいいのか。帰京してから、NETで検索したら

2015314日の北陸新幹線開業を控えて、2010年にJR西日本の佐々木隆之社長は、赤字対策として氷見線を廃止してバス転換を行うか、本数削減などを含めて地元自治体と協議したいとしていたが[1]2012128日に北陸新幹線金沢開業後も引き続きJR西日本が運営するとともに、運転本数についても大幅な変更はないと発表した[2]。このため、本路線は、城端線のほかにはJR西日本の在来線路線と接続しない路線となる。全区間をJR西日本金沢支社北陸広域鉄道部が管轄している。」

とあった。やっぱり廃線の危機にあったらしい。いきさつはわからないが、もちろん廃止はしないでとの声が高かったのだろう。地元の足が確保されてないよりだったが、損得勘定で差し引いてJR西日本がこれを切り捨てて、「経済効果」をあげると言うなら、やっぱり誰のための新幹線かということになるだろう。氷見線の時刻表を見ると一時間に一本(時間帯によって2本)で、「運転本数に変わりない」と言えるほどの本数ではない。









氷見線氷見海岸