2013年12月27日金曜日

日米地位協定改定交渉合意のウソっぽさ

名護市辺野古の基地建設のための埋め立て許可を仲井真知事が認めるという動きだ。またぞろカネを使って黙らせる政府のやり方も不届きで、これが日本の政治の軽薄さにあきれかえる。「この金で手を打てよ」と、政府の概算要求以上の金額を土産にして。自民党選出の国会議員には脅かしをかけて合意をとりつけ、ヤクザまがいの「自由と民主」主義の面目を表した。知事が条件として提示した中に「日米地位協定の改定」がある。これについては「交渉開始の合意を取り付けた」とのことだが、これをも評価して改定に向けて動くということだ。すぐにはがれそうな化粧を施して。

17日にアメリカのハーフ報道官が日米地位協定について「既存の枠組みで改善するのが最善で、従来通り運用改善で対応すべき」と態度を明らかにしている。一歩進んで交渉の席に着くことは当然だろうが、協定改定へ向かうとは思えない。そこを押し切っていくような態度を政府ができるはずがないと誰しも思うだろう。アメリカにどうしてこんなに優しいのだろうか全く不思議なことだ。

 公務中の米軍人が2009~11年に起こした死亡・傷害事件事故188件のうち、被害者が全治4週間に満たないけがを負った事例で、3人が「処分なし」とされていた。
 残りの185件は全て懲戒処分で済まされた。被害者が死亡、もしくは全治4週間以上の重傷を負った事案を含め、刑事裁判を意味する軍法会議にかけられた例はない。
 ほとんどが交通事故とみられるが、国内で起きた事件・事故であるにもかかわらず、公務中という理由だけで刑事事件を起こした在日米軍人が特別扱いされている。→琉球新聞2013.5.27

日米地位協定の第171のbには、「日本当局は、米軍の構成員と軍属、およびその家族に対して日本の領土内で起きた犯罪に関しては裁判権を有し、日本の法律により罰することができる」と規定されているのに、現実にはほとんどの場合裁判していない。日米間で、公務外の犯罪の場合、日本側に裁判権がある大部分を放棄する密約がり、地位協定は、密約を含めて、米軍・米兵に特権が保障されている。だから、米兵の犯罪は奨励されているようなものだ。「日本がアメリカに守られている」ということはこういうことだ。アメリカに対しては使い走りしかできない外交で、安倍首相のあの鼻息が見たいものだが、針の穴より難しいことだろう。

横須賀に入港したアメリカ海軍の空母・キティーホークの乗組員である基地近くでレイプされたオーストラリア人のジェーンさん。「レイプに反対なら、地位協定(SOFA=Status of Forces Agreement)を変えるべきです」と明確に指摘している。


日本人として恥ずかしいことだ。