2013年12月28日土曜日

沖縄の歴史は壮絶なものだ

 アメリカに対してはまことに胸襟を広く開いてことにあたる自民党政権。戦後ずっとそうだった。その態度がちっとも変わらずにここままできた。
 11月に沖縄に行って、沖縄の歴史や基地問題に少し触れることができた。話を聞くにつけ、沖縄の歴史は一日二日で理解するのは失礼だと思った。今、辺野古に基地を造るという安倍首相と仲井真知事の合意を聞いて、なんというバカげた選択なのかと思う。アメリカの言うとおりに動くというと簡単明瞭だが、こういう状況に招き入れる自民党と、ほくそえんでいるだろうアメリカの仕打ちはあまりにひどい。

 米軍府北部訓練場のヘリパッド建設反対の監視小屋を訪れた時の話は、そのひどさに仰天した。
 1995年、米兵による暴行事件が起きた。抗議する集会が開かれておよそ10万人もの人が集まった。翌年「基地の整理縮小」をかかげて設置されたのが「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」だった。日米両政府が最終報告に合意して『SACOの合意』が発表された。この合意で、北部訓練場の半分を返すという条件との名目で、返還予定地にあるヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)を高江周辺に移設すること、海からの上陸作戦訓練のための水域と土地(宇嘉川河口)の提供が決められた。つまり、転んだらただ起きるどころではなくて、転んだ弱みに付け込んで棒でたたくような仕打ちだ。

 ヘリパッドは北部訓練場に22か所あり、その上に高江集落を囲むように6箇所増設するという。人口150人ばかりの村であることを「いいことに」してだ。一文近い民家からは400メートルしか離れていないという。ヘリパットは、むろんオスプレイが訓練で使用することができる。そこまで想定された策略だ。

 「やんばる(山原)」に有名なヤンバルクイナ、ノグチゲラなどの固有種や絶滅危惧種が数多く生息している。日本全体の0.1%にも満たないところに1000種以上の高等動物や5000種以上の動物が暮らしている。国際自然保護連合(IUCN)が保護を求め、世界自然遺産、国立公園にしてとの声も上がっている。戦争は自然界も傷つける最大の暴力だが、訓練によっても人間と自然に甚大な破壊行為を生み出している。(資料「Voice of TAKAE-沖縄県高江村で起きていること-」)