2018年2月8日木曜日

墜落を「着陸、炎上」という丁寧さ?

 ヘリコプターが事故を予測判断して空き地などに着陸することを予防着陸と表現されている。緊急着陸では聞こえが悪いからなのかどうかわからないが、言葉のイメージからは相当に違いはある。ヘリコプターが着陸していいのはヘリポートだけだから、それ以外で着陸するのは緊急の場合になる。
 
 予防着陸は墜落を避けるための策で、「異変」を感じたらとにかく着陸をするという、危険回避のためにあるのだろう。乗員の安全確保には大切なことだから、米軍でも「躊躇するな」と啓もうしている。

 佐賀県の空自ヘリ墜落は、NHKでは「着陸、炎上」と表現した。民放の臨時ニュースでは、早々に「専門家」が「予防着陸をしようとしたが…」といい、事態が明らかになるにつれて、「予防着陸する余裕もなく…」とコメントしていた。「着陸、炎上」は防衛相の記者会見で発表された言葉だった。墜落の映像もメディアではすでに発表していたから、違和感以上に何か無理やり着陸にさせたかったのかなと疑ってしまう。

 政府が発表する通りの使い方では説明になっていない。言葉は使いようで、印象がかわるが、政治がらみではもっとも「弄ばれる」存在になる。墜落ヘリの呼び名は「空自ヘリ」として落ち着いてきた。NETのニュースでは当初「航空機」と称するものもあった。航空機は「民間機」と「軍用機」に分けられる。憲法上「軍」は使いにくいだろう。「攻撃ヘリ…」というものもある。「攻撃」は専守防衛からすれば使えない。正式名称は「AH-64Dアパッチ・ロングボウ」。


予防着陸を躊躇するな