2017年8月13日日曜日

日本が「軍事行動やめろ」となぜ言えぬ

 アメリカ大統領の「炎と怒り」と北朝鮮を挑発し、中距離ミサイル(ノドン?)を飛ばす用意をしていると北朝鮮がこれに応えている。日本の国会で、しっかりした準備をとの要求(そんなことより、止めさせるような行動をしろと言えばいいと思うのに)にもこたえて、PAC3の配備を出雲(島根県)、海田市(広島県)、松山(愛媛県)、高知(高知県)の四つの駐屯地に配備することになったという。北朝鮮が発射し、日本本土に間違って落ちるようなことがあったら、爆破するということだ。

 中距離ミサイル「ノドン」の速度はマッハ9.51万キロ近いものだから日本上空へは数分で到達する。「日本に落ちそう」となれば、イージス艦のSM3ブロック1Aというミサイルで迎撃するらしい。たった数分間のうちに日本の領土に落ちるかどうかの判断をして、撃つということだ。北朝鮮がミサイルを発射したのを感知してから、「日本に落ちる」「落ちない」の判断は情報機器によるものだろうし、発射も連動させているのかもしれない。

 しかし、発射実験を繰り返して精度を上げるという訓練はしているのだろうか。アメリカの訓練では失敗例(外れた)もあった。今までPAC3SRBM(短距離ミサイル)を迎撃してきたがICBM(大陸間弾道ミサイル)やMRBMIRBM(中距離弾道ミサイル)を実戦または訓練で撃墜したことがないとの情報もある。

 SM3での対応がうまくゆかなければPAC3を使う。これが20キロしか対応しないというから、伊豆半島と大島の一番近い距離程度となり、飛んでくるのが見える距離の迎撃という近さで、時速1万キロのミサイルを打ち落とすなど、想像もつかないのが正直なところ。もちろんこれも計算の上で事前にということなのだろうけど、万一間違えて打ち落としたら「交戦状態」にならない?

 グアム周辺への目標が「失敗」だとする事実上の認定に、解釈の違いを持ち込まれることはないか。ドイツのメルケル「ドイツは軍事的でない解決策に積極的に関与する」と述べた。ロシアのラブロフ外相も同日、「軍事紛争の危機が高まっている」と懸念を表明。「より強く、より賢い方が先に危機を回避するための一歩を踏み出すべきだ」と沈静化を言い、北朝鮮がミサイル発射実験を凍結して米韓が大規模な軍事演習を一時停止するという案に賛同するよう求めた。中国はこの問題で中立と表明している。

 日本だけが対話なしの「圧力」一辺倒で、緊張を煽ることしかやらない。当のアメリカでさえ、「対話の用意はある」というコメントも出しているというのに。
デジタル毎日