2018年9月28日金曜日

テレビのチャンネルを動かす

 かつて、テレビのチャンネルは回すものだった。今はチャンネルを変えることは何というのだろう。「チャンネルボタンを次々に押す」かな?もっと端的な言い回しはありそうだが、「チャンネルを変える」では、端末機をいじっているということが表現されない。 意に沿わないチャンネルは変えればいいわけだから、そんな表現などはどうでもいいことで、どういう言葉で言い表すのかは文学者に任せておけばいいことかもしれない。

 この動作は、つまらなければ抹殺して次の面白いチャンネルを探る視聴者に比べて、報道する側にとっては、この動作に対する重圧はすごいものだろう。耐えられないほどのという言葉も当てはまるかもしれない。瞬間視聴率なるものもあるらしいが、視聴率が悪ければ、番組を制作構成する人たちのクビがかかってくる話だ。

 「貴乃花引退、退職」の話題が、各チャンネルで競い合いをしている。興味があることではあるが、同じ話を各局が延々とやるのは、鼻に着いてくる。興味深いと思われることの選択は報道する側の視聴者に対する態度だから、その点では視聴者の「要望」が形にならないといけないのかもしれない。中国のトップ女優がいなくなったというのも、やっぱり大差がない内容になる。チャンネル数が多いだけ同じネタでの報道では、そのタネのなかの新ネタを拾うことがもっぱらの仕事になる。「だからどうなのよー」と声をかけたくなることもある。

 たまの政治ネタでは、良く掘り下げたと感じることもあるが、やっぱり下ネタ風のことみたいに、とっつきやすいことでは、「忖度」が充満しているのかとくくってしまいたくなるほどだ。

 沖縄県知事選挙で、政府の主要な大物官僚が何回も業界へ依頼にいっているだの、事前投票が最重要課題だとはっぱをかけて大動員されている政党の話など、SNSでも拡散されている。こういうネタもつかんではいるのだと思うが、「中立を装って」か、一向にテレビ画面には登場しない。豊洲のことも、安心できるようにはなっていないとことが伝播している。

 基地、自然環境、日米地位協定、地方自治、安全等々、突っ込みどころはたくさんあるだろう。酔っぱらって人をひいて逃げたタレントの追っかけをやって、ニュース報道ではあまりに浅薄すぎる。テレビの電源は切っておくほうがいいことになる。