2013年9月17日火曜日

言葉をもてあそぶ

 スピードラーニングのコマーシャルで、英語のテープを聞いていれば覚えてしまうということをウリにして流している。生まれたところがアメリカなら、英語は難なくしゃべるようになる。聞いて言葉を覚えて会話で意味を確認していくことができる。そういう意味で聴いただけでもいくらかは、脳の記憶に残ることになるとは思う。

 「聞き流し」というと、言葉の意味の上では聞かないという意味だ。時代とともに言葉が変わっていくのは否定できないが、聞こえたことも聞こえないとすることだから、ほんとうは記憶からはずすということ。揚げ足取りといえるかもしれないが、言葉をこんな風に使って意味変更を加えるのはありなのかなと疑問に思う。宣伝だから100%事実ではないといえば、その通りだが。

 福一はブロックされているという、万人がびっくりした発言。これも言葉の使いようを違えたものだった。本心でそう思うなら首相の資格が問われることだし、質問されて弁解に務め、「福一についての様々な報道にたいして、コントロールしているよ」と発表するに至っては、IOC委員の判断をちょろまかしたということにならないのか。言うに事欠いて「タンク」のコントロールも政府が関与すると言うに至っては、ついにバレバレの内容だ。

 発言直後に東電から「ブロック」の認識について問われたのも、理解の度を越えたものだからだろう。軽はずみで責任が重いことだ。言葉をもてあそんで日本語的意味や理解を簡単に変えていくことでいいのだろうか。小学生が「リセット」を生まれ変わることと解して、死ねば生まれ変われると認識しているという笑えない話も起きている。これでは、小沢昭一さんが墓場で怒っていることだろう。