2019年10月28日月曜日

「自然災害」「自己責任」の時代遅れなキーワード

 台風の被害がすさまじい様子が連日伝えられている。被害に合ったらどうするだろうと、自分に重ねてみると言葉にならない。車で避難行動をとろうとして水流に巻き込まれたとのことをみて、自分で避難しろと言うだけが強調されているばかりに見えて仕方がない。非難するにしても、避難先の情報や高齢者世帯への声掛け、誘導避難や避難の方法など具体的な対策が事前に用意されるべきではないかと思う。

 何かといえば「自己責任」ばかりが強調されて、情報はNET調べろ!という 言葉しか聞こえない。原発事故が発生した際の避難も自治体にまかせられて、事実上避難ができないということも伝えられる。こうしたありえない不条理が「自己責任」で捨てられるのは全く腹立たしい。果ては「自然災害」だからと、国や自治体の責任を軽んじる風潮さえ作り上げる。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が日本には存在しないということになる。

 メロンやカニを配って議員になった者やそれを庇いたてる連中の顔をみると腹の虫がおさまらない。家の近所の神田川では、昔は水がよく上がっていたが、嵩上げ工事や一時貯留施設のおかげだろうか(使ったという情報は聞いていないが)あるいはという心配が杞憂になってよかった。防災地図によると、我が家は水没する場所になっていると受け取れる。不正確であれば判断を誤ることにつながるので、改めた方がいいと感じた。確かめなくてはならない。

 避難地域や避難場所をNETで確認してといわれているが、なかなかつながらないのも改善してもらいたいところだ。第一高齢者のNET使用はどれだけ可能なのかもある。テレビで各地の被害状況、河川の状況が報道されたがこれが実に遅い。河川の監視カメラが少ないのだろうか。報道の調整があるのか?それにしても、盛んな人気スポーツ報道のような、丁寧な熱心さはみあたらない。

 神田川であれば、昔は有線放送で水位が上がっていることをアナウンスしたが、最近は危険が少ないとみてかやらなくなった。この間の「想定外」の状況ではそれでは済まないだろう。今日は、がけ崩れの被害が「指定地域」になっていなかった傾斜20度程度のところで発生したことを伝えていた。政府の対応も実にのんびりしていたものだったが、想定外を放っておくことは人間の知性として放置しておいてはならないことだ。