2013年7月5日金曜日

「各国は異常気象に備える必要がある」とWMOが。

 世界気象機関(WMO)が10年間の気象を分析した「異常気象の10年」を発表した。世界平均気温が観測史上最高を更新し、2000年までの10年間より平均0.47度上昇した。2007年には北極圏の海氷の大きさは最小になった。二酸化炭素の大気中濃度の押し上げが、世界の気温上昇を招いて気象パターンに影響を及ぼしたと分析している。日本の気象庁のデータも元になっているということだが、どうもこの重大性が政治に捉えられていないように思う。

 気象庁の天気予報、予想にも、異常気象についての説明はついぞ聞いたことがない。異常な天気であっても何年に1回だとか、何年周期だとかで起こりうることと説明される。二酸化炭素低減の対策と言っても企業の自主性に任せる程度だし、暑いときには冷房を27度に設定してとかということくらいが対策だ。ニュースでは異常気象が世界中で起きていることが伝えられるのに、政治の面ではおざなりになっている。2011年からさきの10年間で、このままいったらどうなることか。

 奈良の平城京跡に広がる草原と湿地を埋め立てて舗装するということを国土交通省近畿整備局が昨年9月から始めているという。テーマパークづくりのためのものということで、批判が上がっている。平城京跡は1000年以上も破壊されたことなく、破壊される危機の度に止めてきたが、国交省は強行しているということだ。史蹟を残していくことは、将来を生きていくものにとっても大切なものだ。日本ではいとも簡単に、安全のため・観光のためといいいつつ破壊に向かう。

もっとも、政権党が建設業界に献金を金額付きで明示して依頼するようでは、さもありなんということでしかない。
 土面といったらいのか、泥が表にでているところは貴重だ。草も木も育つし場合によっては作物を造ることもできる。都市部で言えば、気温の上昇を吸収することができる。大都市などではビルを建てるスペースには、地表をだした緑地として確保すれば、防災対策にできるだろう。

 自然を改変して人間の役にたてていくという大義名分を使い、いわば事業利益の享受で、あとは知らぬ存ぜぬということがまかり通る日本は、良い国とはお世辞にも言えない。壊された自然と歴史とそのつけ(借金)を、子々孫々に負わせる気かといっておきたい。


洪水から立ち直った世界遺産ハルシュタット湖    舟屋が見える

(ミュンヘンから約220キロウィーンへ約300キロ)