写真を撮るメンバーは、キューバの暮らしを切り取りたいと、狙いを定めている。キューバの姿がドキュメントでつかまえられればいいのだが、それはあらかじめ狙いを定めておくわけにはいかない。出たとこ勝負のことになる。くじ引きのように当たりはずれがある。
したがってキョロキョロと挙動不審者がごとき動きで、一瞬も気を抜かずに動かなければならない。特に人を撮るとなると、秒単位で千変万化する相手をとらえなくてはならないが、うまくその瞬間にシャッターを押せれば御の字というところ。
ところでキューバの人たちは、基本的に写真を撮られることをさして問題にしない。もちろん撮らせてもらうときには断るが、日本の場合は事前に断りをいれないと、ときには齟齬が起きたりする。キューバの人(キューバに観光で来ている人も多くいる)が問題にしないというのが、どうしてなのかはわからない。ちょうど目が合ったとき、その機会にカメラで撮るポーズを示すと、「いいよ、撮れ!」という態度が返ってくる。こういうケースが一番多い。
家の前で外を眺めている人も結構いる。ガイドさん話では、夏だから家にいるより外に出てくるのではと言う。この撮影チャンスは、日本から持ち込んだアメが役立つ。同行の先輩が慣れていて、ちゃんと準備していた。アメ一つで、まず笑顔がでてくる、さあ撮っていいよと、構えてくれる。でもそれが型式的になったりして…。
もう一つは、多くはないが、「撮ってくれ!」とせびる人。これは後からチップをせびるというスタイルの人。申し訳ないがこれは応じない。金の問題ではないが、いい写真にはならないだろうから。で、どれだけ迫れたのかというところは、ウーン。