2013年9月3日火曜日

秒と、百分の一秒勝負の危ない世界

 イプシロン一号機の発射が中止になったのは、ロケット搭載のコンピュータと管制側の間で、姿勢データの受け渡しのずれがあったためだった。ロケットの姿勢データの計算に、時間が0.07秒遅くなったためだとの発表だった。計算時間を考慮していなかったということを原因としているが、リハーサルでは出てこなかったことなので、総点検をすることになった。

 「はやぶさ」を打ち上げた世界最高性能M5ロケットの後継機で、低コストというがウリでも、躓くことになった。「軍事転用」は許されないが、仮にその方向から問題を立てると北朝鮮からの笑い種ということになったのかも。コンピュータはいまやどこでも使用されている便利な機器だが、効率やコストを優先させることでは事足りない。

 88日の緊急地震速報が誤報だった。速報は横揺れを捉えてどのくらい揺れるかを予測発表する。最大深度が5以上という予測なら警報をだして、携帯電話にも知らせることになっている。震源が遠いときは地震の到達からの差で、数秒から数十秒の猶予ができる。内陸の震源が浅いところでは、そうはいかない場合もある。
 今回の誤報は御前崎中継基地の装置の不具合で、「誤信号」が発生したものという。短時間での処理なので、震源や規模に誤差が生じることが結構発生している。2007年に警報が発表されるようになってから、揺れなかったとき3件、地域が違ったのが9件、震度3以上の揺れが観測されなかったことが全体の約四分の一あったとのこと。こちらは日常の安全にかかわることで、早い改善が必要だ。もっとも、地震対策に限らない防災対策はもっと早く進められるべきだが。

 手を掛けるべきことが沢山あるのに、あの「リニアモーターカー」の急ぎっぷりはなんなのだろう。将来は海外へ売りに出る企業的価値を「日本の目的」としているが、すり替えだ。時速500キロは秒速138キロだ。「そんなに急いで…」というセリフが一時はやったが、果たして、デジタル機器の駆使で安全にできあがることなのだろうか。ボーイング878のリチウムイオン電機火災はコンピュータの「使い過ぎ」での発熱も疑わしい原因になっている。しかし特定されていない状況だ。

 竜巻のすさまじさが報道されているが、「竜巻と思われる」とあとからコメントするのが関の山で、「起きそうだ」という予測はできないのが現状になっている。気象庁のスーパーコンピュータが、ここでは生きていない。情報処理のために金をかけても、こんな程度という現状も抱えている。デジタル様とのお付き合いの深化と進化が必要だということだろうか。