2015年9月11日金曜日

真室川の景色がぼうっと心にしみる

 真室川の台地の田んぼと、川のコラボレーションはどこの景色より気に入っている。イネに穂が出始めて黄色づく瞬間は特にすばらしい。田んぼの美しさをいいと思うのは、農耕民族の伝統をDNAにもっているからなのだろうか。代掻きから取り入れまでの流れはどの瞬間も、見逃せない。

 金山町本祭りの翌日(16日)の早朝には、だから当然真室川の台地に向かって、田んぼのずっと先から日の出を待つのが、ここを訪れたときの定番だ。遠くの山を背景にして、手前の杉林の間に見える家の少し右から出てくるはずの太陽。一緒にいる先輩が朝陽を撮ると所望しなければ、自分だけならきっとその気にはならなかったろう。しかし期待どおりにはいかず、暗さが解けて時間が過ぎて行っても、連日の雨の湿気がまとわりついて台地から離れないようだった。

 仕方なく車をあてもなく適当に転がして、霧が薄まっている畑の中に祠がみえたので、シャッターチャンスにさせてもらった。ちょうどネギの畠があって、白い人ニンニクの花(後から判った)がふうっと浮き出して印象的だった。辺りにあのニンニクの香りが充満していたが、アマガエルが出てきて歓迎してくれた。