2013年10月26日土曜日

皇后誕生日の宮内庁文書回答意味深長?

 秘密保護法制定や憲法96条改正(悪)をねらう安倍政権は、日本が「戦争ができる国づくり」としての道をすすむことを念願として、突っ走っている。「基本的人権」も「言論の自由」もあったものではない。
皇后誕生日を迎えた皇后の文書回答が発表された。憲法についてのものもあったので気になって読んでみた。質問は
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東日本大震災は発生から2年半が過ぎましたが、なお課題は山積です。一方で、皇族が出席されたIOC総会で2020年夏季五輪・パラリンピックの東京開催が決まるなど明るい出来事がありました。皇后さまにとってのこの一年、印象に残った出来事やご感想をお聞かせ下さい。
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宮内庁・皇后陛下の文書回答
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 5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館で見せて頂いた「五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました。
 明治憲法の公布(明治22)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います。
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 基本的人権だとか教育・言論・宗教の自由、地方自治権についての文言がでて、すこし驚いた。5月の憲法記念日に訪問した先の感想だから、それはその限りともいえるが、「憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じ」てのことで、議論参加という意味もあると勝手に解釈した。猪突猛進で、憲法投げすてを計る方々への皮肉とうけとると言い過ぎだろうが、ここはぜひ皮肉にさせていただきたいところだ。

五日市憲法草案=
現在発見されている明治自由民権運動期の私擬憲法の中でも、国民の権利の項目に多くの条文が割かれており、現在の「日本国憲法」と比較しても引けを取らない民主的な内容を含んだ憲法草案であること、五日市地域の有力者や若者たちを中心に学習結社「学芸講談会」を組織し、憲法に関する討論会や学習会を実施しており、自由民権運動から憲法草案起草に至る経過がわかることが高く評価され、東京都の有形文化財にも指定されています。