2013年9月9日月曜日

昨日のハゼ釣り大会で思ったこと

 昨日はハゼ釣り大会だった。78人参加で、これまでの参加者数から見ると減ってきている。しかし18位までが、1キロを超えるという結果はいい方の釣果ではなかっただろうか。
 天気予報通り朝方は、雨がぱらついていたが、本格的には降らずに時折またぱらつくといった状況だった。前夜からの雨もあったようだから、影響がどんなふうに出るのかの読みは、現地に多く通っている人はわかるのだろうが、難しさがあるのかもしれない。

 少ない経験と今年のこれまでの具合を加味して、場所を決めてやってみるものの、2週間前とはやっぱり違った反応で、ハゼの魚信はなかなか得心には至らない。「粘りのゴルフ」並みに執念を燃やして、歩き回るものの、時々数尾ずつの入手では好成績にはつながらない。

しかし今日は妙なものを見た。というより確認したというべきかもしれないが、アタリがなくていたのに、急に釣れた。ふと正面に見える仲間のつりを見ると偶然にも、やっぱり釣れているではないか。そのときなにげなく、その先の同じ会の参加者の竿も曲がっているのが見えた。海の潮の動きでプランクトンなどの生物が、活発に動くときがある。海が川の流れと同様に、満ち干で動くことで魚の餌も動き、魚の捕食活動が昂進するとは一般的に説明される。しかし、少しくらいの水の動きで、一斉に動き出すものなのだろうか。

 ことハゼに関すれば、ハゼがなにを日常捕食しているかはわからないが、食しているものはそんない多くないのではないだろうか。つまり食べられそうなものはなんでも口に入れてみるのか?それは学者に任せるが、釣れたハゼのはらわたを見る限り、形になっているものは何もない。アオイソをガッチリ咥えて、ごちそうにありついたと思った瞬間に、水の世界から空中にひっぱりあげられる。つまり日常の食料の枯渇が存在しているとすれば、潮の動きを察知した瞬間に、ハゼが緊張モードに入る。エサが間近に発生するはずだと、知覚すると考えるのはどうだろう。まあ、潮の動き緩慢でふらふらしている時には魚のほうが、たとえ近くにエサがあったとしても食べない。エサが動き踊ることに魅せられて、追っかける。そこに着目して「誘い」という人側の動作が、このときには功を奏すということじゃないだろうか。
 結論的には、潮の動きがハゼの顔をなでた瞬間に戦闘モードになるという、勝手な解釈。これが生きていくためのDNAとして引き継がれているとしたら面白い。

 もう一つは、ハゼは動き回るということ。以前江戸川の浅瀬で釣りをしている時、裸足でサンダルを履いていたが、潮が満ちてくると上流側に向かって「我先に」というくらい泳いで上がっていくのを体験した。裸の足にぶつかってくるのだった。潮が干潟を満たしていくときには、底の方からハゼの好むエサが湧きだすから、それをねらって「我先に」という具合に上って行くのではないだろうか。ハゼがどう動くのかは、これもわからないが、水脈筋なら川と同じだから判断に困ることはない。そうでないところではどうなのだろうか。それはハゼに聞いてみないとわからない。

 一定の行動範囲が決まっているとしても、数回にわたって釣りをされる場所は魚が少なくなる現象があるようだ。そうすると、絶対的な通路というものはないことになる。勝手気ままかどうかは何とも言えないが、毎年のように、今回はこの辺はよく釣れるというところはある。しかし、いつもそこがいいというわけでもなく、長期短期の天気や当日の気象、温度、潮回りなどで変化していく。釣る方の都合による絶対はない。相対的によいというものだ。

 釣り大会では、アクアライン周辺の広範囲を散らばって釣りをするから、結果を集めると、なるほどそうかということになるが、そういった状況を咀嚼して「大漁」に至るときの快感っていうのはあるんだろう。しかし残念にもそういう目に合ったことはないのだから、ここで考えたことの誤りを次からの実戦で試さなくてはならない。今回は477グラムで40位という結果だった。昨年は入賞できたのに。

 異常気象が日本のあちこちで現れている。北海道でクロマグロの水揚げがあり、相模湾でメジマグロが爆釣だという。水温が3度も上がっているということで、ハゼの動向にどういう影響が表れるのだろうか。水温が下がれば深いところに移動していくということなので、当分岸近くにいるということになるのだが…。そうであれば次回のハゼ釣りに大いに期待がもてる。