2013年6月1日土曜日

つりと山菜とカメラ

 つり好きの人間らしく、明るさが早くなる分だけ目が覚めるのが早くなる。歳を取ると早く目が覚めるなどとは決して思わないようにしている。農耕民族のDNAを引き継いでいるから、陽が上がったら起きるという気概が生きているのだろう。つりは、朝夕が一番の「スポーツ」。

 そういえば、山菜取りも朝一番がいいらしい。大白河だったか、早朝に旅館から出て、近くの沢に入っていったとき、地元の山菜取りのおじさんに出くわして驚いたことがあった。急に近くでガサガサと音がしたと思ったら、目の前に現れた。あんまりびっくりしたので記憶に残っているが、魚が釣れたのかどうかは記憶にはない。そのとき朝が収穫のチャンスなんだと教えられた。

 確かにワラビ、タケノコなどは伸びが早いから、朝がいいのだろう。伸びが早いということは、柔らかいということでもある。朝の光の加減がちょうど、山菜を見分けるのに都合がいいという義父の話もなるほどとうなずける。

 朝の光ということになると、カメラの撮影も範疇に入ってくる。日の出が何と言ってもシャッターチャンスになる。日の出は皆撮ることを好むようだが、自分はそうでもない。自然界は朝方空気が澄んでいるから、光が陰影をつけてコントラストが鮮やかになる。夕方ももちろんチャンスになる。近頃はデジタルカメラだから、夜まで気軽に撮影が可能になるが、これだけは自然の道理には反する。しかし面白さはある。だから「やたらに」ポイントを撮りまくることになる。

 今回の五箇山から能登半島をめぐる撮影旅行では1500枚を記録した。あとどうするのだろうと、自己責任の重さをかみしめている。
今日も5時には目が覚めて、窓を開けると涼しい風が入ってくる。