予め本を読んでおいて、読書感と意見をだすという集まりで、毎回本を読んで行かなくてはならない。だいたい本が嫌いな自分にとってはやっかいなことではあるものの、新しい本を読むたびに、若い時にもっと読んでおくべきだったと思わされる。最近、「いらないもの」の整理を心がけているにもかかわらず、もう一つの学習会も含めて、本が増えていくということに陥ってしまった。しかし、体験から判ってきていることが、「学習」で裏打ちされると、なんかステップアップしていくようで、これも一つの快感になる。
今回は、グローバリズムとはということで、アメリカが世界に広めたイデオロギーという定義で、その内容とそこから起こってくることについて述べられている。そのなかで、言語は文化で、多国籍企業が共通用語で英語を使用するということについて、企業同士がコミュニケーションとして使用するのは合理的であっても、自分の母国語以上に重要なものはないと言うくだりがある。英語を使う欧米人も母国語であるが、英語文化の影響から逃れられず、使う言葉はものの考え方や価値観におおきな影響を与えるということで、そこに覇権的なバイアスがかると書かれている。
日頃なぜ英語なの?ということに疑念をもっていたこともあり、先ごろ読んだ本の内容の一部を思い出した。
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「日本亭主図鑑」(井上ひさし)
男と女の差について述べたものでそれぞれどんな言葉があるか書き出したもの (国立国語研究所 分類語彙表からとの断り書きあり)
男~男子 夫子 漢字 男郎 漢郎 男児 男丁 男人 百夫 万夫 忠実男 勇士 健児 白面郎 玉人 壁人 美男子 愚夫 哲布 小丈夫 鈍漢 木強漢 男聖 年男 他230種
女~女子 婦人 女人 内人 女流 女性 髪長 鬼女 洋婆 魚婆 好女 玉女 美姫 麗姝 清姫 傾国 仇物 力婦 不別嬪 弁女 700種
男の3倍もあるとして、「亭主の可憐純情さ」を述べたもの。もうひとつ 「 取る」の使い方についての多様さを取り上げたもの。読めないものもある。
「折々のギャ句辞典」(夏井いつき) 「取る」が続く言葉として
本 胸ぐら 手 足 蝉 蛇 山菜 事務 指揮棒 指揮権 金メダル 舵 免許 弟子 月謝 税金 コピー 財布 評判 客 相撲 写真 栄養 お肌のシミ 揚げ足 アブハチ 鬼の首 面一本 年
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「グローバリズムという病」では、英語でビジネスや学問研究をするグローバル人材の育成を、多国籍企業がするならともかく、国の産業、教育政策としてやるのは、国の産業育成や競争力強化のために必要な人材育成ということにならないと断じている。
多様で豊富な言葉が存在し、その意味と風合いを文化として語り継いできたのに、「グローバル化」とその人材育成のため突っ走るのはどんなものだろうかということにつきあたる。桐生で写真を撮っているときに目に入った「方言の暖簾」も、「絶滅危惧種」としてしか残れなくなっているようで気になっていた。