2019年2月3日日曜日

恵方巻、江戸時代の文化がいま「大量廃棄」

 恵方巻を丸ごと食べる慣習は、どこからはっきりしないらしい。ニュースで「大量廃棄」の話題で取り上げられている。そのルーツがどこにあるかをウェザーニュースが書いた。アンケートをとった結果がおもしろい。

まず、
「恵方巻」を食べるか?には、
食べない人42
昔から食べていた34
最近食べるようになった24
食べている人およそ6割で、食べていない人4

 エリア別では近畿が多い
近畿では6割を超え、近畿に近い中国・四国エリアでも3割を超えており、北・東日本に比べて高め。


 近畿エリアでは

 近畿エリアでは、奈良県で「昔から食べていた」の割合が最も高い(7割以上)。また、滋賀県を除くその他の府県でも6割以上。

 北海道文教大学の北海道文教大学の「食卓の縁起に関する研究-恵方巻の受容とその背景-」(荒井三津子・清水千晶)によると
(1)江戸時代、節分の時期に美味しい香の物を巻いた海苔巻きを切らずに恵方を向いて食べて縁起をかついだ
(2)幕末から明治にかけて大阪船場の商人の商売繁盛、無病息災、家内安全祈願を願って
(3)船場の女性が階段の中段で太巻きを丸かじりして願いごとをした
(4)船場の旦那衆のあそび
~とのこと。


 近畿地方で縁起物として定着していたらしいことが、アンケートで示された。江戸時代に築かれた多様な文化の一つだろう。それにしても、「恵方をむいて丸ごと食べる」文化であったものが、今「食べずに大量廃棄」という憂き目にあっているのは、いかがなものだろう。皮肉に考えれば、この「大量破棄事件」で恵方巻に接したという宣伝効果もあったのだろうか。