2017年2月14日火曜日

岩手山麓の少ない雪

 極寒でもおかしくないところなのに、雪が少ない。盛岡市内のほうは、掻いた雪はあるが、道路にはまったく雪がない。親父が今年は雪かき(除雪)少ないと言っていたが、その話は、除雪車が来てくれないと受け取れた。ちょうど山麓に着いた日の夜に降ってきて、夜遅くに除雪していたのを見たので、そう話すと、そうかいという返事がかえってきた。

 預金がなくなっているという思い込みをして、だれかが使っていると妄想みたいなことまで言う。従妹から連絡をもらって、岩手に飛んできて親父の訴える話を聞きながら、通常の話では理解できる状態でないことを感じた。耳も遠くなっているし、話す言葉も不鮮明になっているので、こちらが話す言葉を慎重に選んで、伝わったかどうかを見極めてから次の段階に行く。そんなことの繰り返しが必要になっている。

 それで会話が進むと、本人の「誤解」も少しは解けていくのかと思っているのだが、それで一段落と思うと、また新な「誤解」を持ち出す。またその話を同じようにやり取りする。と、顔つきが和らぐように見える。いくらか納得したのか、聞いてもらったことで満足したのかという風だ。

 8時過ぎに風呂に入ったとき、遠くでサイレンが鳴った。サイレンの後に「…服装は…」と拡声器から聞こえてくる。家に帰らない人がいるのか…。時々こういった放送があるが、暗くなってから聞いたのは初めてだ。風呂からあがって、体が温まったので、懐中電灯を照らして家の近所だけ見てみたが、人気はなかった。

 寝たかと思った親父が、ごそごそと何かを探し始めた。枕元に置いてあるはずのペンライトがないとのこと。一緒に探してみるが見当たらないので、べつの懐中電灯を持たせて、明日探すことにした。