2018年12月26日水曜日

自分が釣りの絶滅危惧種か


 今年はとうとう一度も釣りをしなかった。写真と旅に身を置いたことでしなかった事情もあるが、気持ちの中にやりたいという気分が湧いてこなくなった。道具を断捨離で廃棄してしまったのも、気力が薄れてきたせいだ。

 時間があればやる気になるかはわからないが、しばらく前の渓流釣りで、流れをさかのぼるときに転んだことがある。けがはなかったものの、ショックを受けた打撃は大きかった。これはもう自粛する方がいいかもしれないと思っていた。

 もともと足腰が丈夫な方ではないから、そこを乗り越えてやるには一時の気合も必要だ。難しくない対象の魚だったら大丈夫だろうと。そうこうするうちに写真の方が忙しくなってしまった。

 先日、船のハゼ釣りにという話があり、のりかかったのだが、船宿で船は出ないということだった。今年の落ちハゼつりは「釣れていない」という話を聞いていたから、その事情によるものだろう。

 つりの会のハゼつりでは、木更津アクアライン周辺の港を中心にしてつり大会をやっていた。ところが、やるたびに釣果が減ってゆき、大会運営としては耐えられず、釣り場の範囲を広げてやることになった。最近のシロギス釣りも釣果が非常に悪いということで、東京湾の状況が悪化しているという気がしている。

 海底のセシウムだの最近クローズアップしている、マイクロプラスチックの影響もあるのではと疑いをもつ。東京湾に流れ込む主要な川は、15、6本ある。かつては豊饒の海と言われ、江戸前の…という誇りをもたれた魚を育んだ海に、どれだけの異物が入り込んでいるのだろうか。

 小物の魚さえ「絶滅危惧種」になるようでは、生物多様性の東京湾は終わる。釣りの楽しみと言う極上の文化は抹消されてしまう。その前に、自分の釣りも「絶滅危惧種」になりそうだけど。