2014年5月3日土曜日

ちょっと感動の善福寺川

我が家の上流にある善福寺川。流れ出すのはその名の通り善福寺公園。かいぼりをしたら、放棄された自転車がでてきたと報道された、井の頭公園の北3キロほどにある。途中合流して神田川となる。JR荻窪駅の近所を流れるこの川が、杉並区から中野区に入ってくると、「大型側溝」に変身する。その上水害に備えるために、かさ上げというのか深く掘り下げて、川のイメージを剥がす工事がやまずに「公共事業」として続けられている。中野界隈でフナもドジョウも人と戯れたという昔は、うかがい知れないほどになっている。

JR荻窪駅と環八道路の間のこの川が、前からちょっと気になっていたのでカメラを持って行ってみた。どのくらい前に整備したかは不明だが、川が「川らしさ」を残している模様を撮ってやろうという動機だった。

川の流れの中に草が生えていることが第一だ。数か所に草の集団がある。流れが曲線になっているところがあり、流れの外側は掘れているし、内側には土砂の堆積があるのは長年の自然の事象としても、護岸に沿って「川岸」的な造作が施されている。形が壊れているところもあるが、明らかに「川の意識」で造られたものだと考えられる。加えて、小さな堰が造られている。

荻窪駅から川に接した途端に見たのがシラサギだ。「ヌキアシサシアシ」のスタイルで、歩いている。首をクーと高く上げて、きっと動くものを見ているのだろう。目に映らなければまた数歩動く。そして蛇がとぐろを巻いて攻撃するときのように、キュッと首を縮めると見つけた証拠だ。目にも止まらぬ速さ、でなくシャッターにも止まらぬかという速さで、獲物を口に入れた。懸命にシャッターを切って後で見たら、ザリガニだった。魚を獲ったかと思ったのだが違っていた。

カモはこの河川にはどこにもいるので、目新しさはないがここで川を覗いているうちに、亀、鯉、カワセミ、アメンボウが目視できた。
二尾のカワウが行き来しているのが見え、潜って餌をあさってるのも見えた。なんと、羽を広げて乾かしている雄姿も見えたが、自分のほかに三人の人間が上の歩道から眺めているのに、臆面もなく自慢しているかのように羽を広げて、バタバタと乾かしていた。

川は想像したよりも生態の豊かさがあった。川には、こういう自然の営みがあってこそとの思いが体験できた一時だった。