2012年11月18日日曜日

「どうしたら団塊の世代が釣りをする気になるか」が業界の課題

 釣り具業界の話だが、低迷する釣り具業界の動向が記事になっている。「バスフィッシングバブル」の影響が大きかったと。ターゲットが「団塊の世代」というのも、一理あると面白く読んだ。
 →niftyニュース10月4日

(長い記事なので「どうすれば団塊の世代が釣りをするようになるか」抜きだしたが、全部読んだほうが面白い。)

表題は

釣り具店チェーン バス釣りバブル後の市場縮小にピリオドは打てるか

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 2011年3月に起きた東日本大震災では、漁港の釣具店が被災したり、釣船が津波で壊されたり、原発事故や災害復旧工事で海岸が立入禁止になり、特に海釣りは大打撃を食らった。
 西日本の人も、津波が海岸を襲う映像を繰り返し見せられると海釣りに行く気がそがれたことだろう。

 日本釣用品工業会の「釣用品の国内需要動向調査報告書」では、震災の影響で2011年の釣用品の小売市場は前年の8.3%減の1660億円と見込んでいる。2012年は、その反動もあって前年比6.1%増の1762億円に回復すると予測。それでも震災前の水準には戻らず、長期低落傾向は続くとみている。

 今後、釣り人口や売り上げの回復は、ありうるのだろうか?

 まず、言えるのは「AKB48に湘南海岸でキスの投げ釣りをさせて新ユニット『投げキッス』結成」といった、バス釣りブームのようなバブルなことを期待してはいけないということだ。

 一方で、業界では登山で「山ガール」が話題になったのを横目に、「釣りガール」が増えていると熱心に喧伝している。しかし、その内容は「釣りガールたちは楽しく釣りをして、魚をおいしく食べます」と、目的の半分はグルメのような的外れなアピールでしかない。

 仮に、そうした狙いであれば、年齢を重ねて食の嗜好が変化し、肉よりも魚のほうが好きになった人が多い「団塊の世代」をターゲットにした方が有望なのではないだろうか。

 団塊の世代は人口のボリュームが大きい。リタイアしたら趣味にかけるおカネも持っている。しかし、現状では登山や山歩きや旅行のほうに目が向きがちだ。だからこそ、彼らが、「自分も釣りをやってみよう」という気にさせるかがカギになる。

 そのためには、釣りが持つ「安・近・短」の手軽さ、この先も長く楽しめる身体への負担の軽さ、安全性、釣魚グルメなどをアピールすることが大切だ。釣具市場再浮上のポイントは、ここにある。

 一方で、釣りに少しは興味を持って釣具店までやって来た団塊の世代の人に、店頭で通ぶる常連客やマニアの客と、店員とのマニアックな会話をモロに聞かせたらアウトだ。釣りが三度のメシより好きで商品知識や、釣り方のアドバイスは合格点が高い店員ほど、こうしたことは、なかなかできない。

 この世代はプライドが高く、専門用語がわからないなど少しでも劣等感を持ったら二度と店にやってこない。そのあたりについては、接客というよりは客のあしらい方を上手に行う必要がある。

 それをカバーするために、店に「ナビゲーター」や「コンシェルジュ」的な女性店員を配置して案内させるのも一つの手だろう。その程度の経営努力は、家電量販店など、他の小売業ではとっくにやっている。

 生活必需品と違い、趣味の店は、その趣味を嗜む人を増やす努力をしなければ、売り上げは伸びない。

 そんな当たり前のことを改めて認識し、人材の育て方や使い方で他業界の良いところは進んで取り入れるなど、打つべき手を打っているかが重要になる。釣具店チェーンは、どん底の今こそ、その点を再点検すべきなのだ。
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