2013年1月30日水曜日

使い捨ての世の中脱したいもの 4Kテレビ来年7月と言うけど

 フルハイビジョンテレビの4倍の画素数をつかう、「4Kテレビ」を来年7月に世界で初めてスタートさせると総務省が方針を決めた。衛星放送CSから初めてBSに拡大し地上波に広げていくのだという。16年開始を2年前倒しでやる。この画質で見るためには、それに対応したテレビを購入する必要がある。そのための「12年度補正予算」が当然投入される。

 現在の地上デジタル放送は続けられるので視聴には差し支えはなさそうだが、地デジ移行の一服状態を喚起する目的とされている。新技術で世界への先駆けの地位を占めるための業界援助ということになる。所得階層の高い層しか使わないものを、補助金を付けるというやさいしい配慮だ。

 地デジを続けると言っても、放送内容の「差別化」で、このテレビを購入しないとみられない番組編成をされたら、また購入の「無理強い」をされかねない。そしてまた、繰り上げ開発となると、あった方がいいパーツの開発を縮小することもあるだろう。小出しの技術開発を付加価値にして、商品の売り上げを伸ばそうということにならないだろうか。携帯電話やパソコン、スマホのように。次から次と新しいものへ飛びつかせる商法もあくどいが、そういうスタイルが景気を上向きさせると思っているのだろうか。

 B787は、完成品でないことが今明確になった。機体の安全性はボーイング社が「安全認定」して、アメリカの機関も日本の運輸省も調査をせず、それを鵜呑みにして運航を認めている。大事故に至らなかったのは幸いだったが、こんなことはこれまでなかった。乗客が実験台ではたまらない。御巣鷹山の事故だって未解明な部分があったのだから、慎重でなければならなかったはずなのに。

 原発問題、東日本大震災、笹子トンネルの事故にしろ、苛め問題、体罰暴力容認、雇用破壊などなど、大事なことをちっとも解決できない社会=「政府」を作ってきた。まっとうな解決を迫られているのに、これまでと同じ発想で、うまくいくはずはない。だから、6年間に6人の首相が消えて生まれたわけだ。欠陥社会から早く抜け出したほうがいいと、誰しもが思ってはいるのだろうけど。