2014年4月13日日曜日

「限界を超える削減は、市民と職員の首絞めあい」と、夕張市長

 「限界を超える削減は、行政サービスの低下に直結します」と、東京都職員から夕張市長になった鈴木氏が語っている。破たんに追いやられた自治体から見える、公務員の実像を表した。

 …「課題に応え、行政サービスを改善してほしい」という市民の願いに対する答えとして「公務員の給与を削減し資金を作る」というのは、その場はしのげても根本的な解決にはなりません。それどころか、ゆきすぎた給与削減は人材の流出をまねき、行政サービスの低下につながります。その最も厳しい例が夕張かもしれません。
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「職員給与の削減」のみで経費の削減を行う、というのは「市民と職員の首の締めあい」です。仕事は費用対効果です。今いる職員が安心して働き続けられる、という意味でも、新たな優秀な人材に地域再生に携わってもらう、という意味でも、夕張の経験を踏まえ、適正な待遇提供は必要だと強く思います。…


 東京都から夕張市に財政再建のために派遣されて、財政の立て直しに期待された鈴木氏は、東京に戻って内閣府の参与として出向した。地元に期待され、乞われて夕張市長立候補した。石原慎太郎元知事、猪瀬元知事ののもとで、内閣府地域主権戦略室に出向し、自民、公明、みんなの党の候補者を破って当選したという経歴も面白い。夕張の財政再建に取り組んだ経験から、公務員の処遇について、向上が必要と申し立てている。公務員攻撃や反感の反論になっていてその不条理さがわかる。この鈴木氏の「見解」を日経新聞が載せていることもまた、めずらしいことだ。