2013年12月12日木曜日

巨大な堤防をつくればいいのか

 国の中央防災会議が決めた防潮堤建設計画によって、巨大な堤防がどんどん造られている。津波対策として震災直後に決められたことらしい。震災後の対策としては非常に「ダイナミックかつ明確な対策」に見える。
 巨大な津波がきたらどうするのか、それには大きな堤防を作るのがよいと、やけに短兵急に決めた。しかしそうなのか。津波が起こる可能性は日本の周囲全体だ。ほかの大陸から押し寄せる場合もある。日本中、海側をコンクリートで囲うつもりだろうか。まさかとは思うが、それが一番の効果を持つものと考えるとしたらやりそうなことでもある。

 南海トラフ地震では東京湾にも津波が想定される。東京湾奥の臨海部にちかい「東京オリンピック選手宿舎予定地」にも届くだろう。そこにも安全のための防潮堤を造るのか?美保の松原にも造るとしたら、富士山の世界文化遺産指定は返上するのか?素人にさえ疑問の多いことだ。住民の検討はほとんどされていないし、いったいどれだけの合意があったのかも定かでない。民主党政権のときの「政策」がこれには黙って引き継がれている。気仙沼から意義ありの声が上がっている。



「国は震災発災を受け緊急で開かれた「中央防災会議」の議論を通して「今後の津波防災対策の基本的考え方」すなわち防潮堤建設計画を決めました。震災から6ヶ月もたたない混乱期に開かれてきたこの会議に、市民の声は反映されていません。

あの混乱期に決定した国の方針の中身が曖昧で、住民の意思をどの様に反映して海岸管理者である県知事が決めるものなのか、あまりにその手順やルールが明確になっておらず、或いは被災地の住民が異を唱えるには負荷があり過ぎる中身になったまま防潮堤を含むまちづくりが進められています。

被災した東北を支援して下さった皆様。美しい国日本、そして東北が、貴重な国税を使いながら、住民が納得しないまま、取り返しのつかない巨大なコンクリートの壁に囲まれようとしています。この計画の根底そして震災復興の足かせとなっている国の「今後の津波防災対策の基本的な考え方」すなわち防潮堤建設計画の再検討要請にご理解ご賛同頂き、ご署名をもってご協力下さいます様お願い申し上げます。」


要望賛同組織呼びかけ人名
・気仙沼市防潮堤を勉強する会 ・気仙沼商工会議所会頭菅原昭彦 ・気仙沼つばき会 ・スローフード気仙沼 ・気仙沼食のまちづくり協議会 ・NPO森は海の恋人・気仙沼自治会(魚町2区、3区、南町3区自治会会長鈴木武雄)NPO法人海べの森をつくろう会

※賛同して下さる団体を募っています。添付の承諾書に署名し、事務局までFAXまたはメールでお送りください。ただし掲載は賛同者の一部となりますことをご了承願います。
  
<防潮堤を勉強する会 事務局> 気仙沼商工会議所内 FAX0226-24-381