2019年10月21日月曜日

台風19号で各地のダムの放水は検証が必要

 小河内ダムでは12日(土)18時以降に放水量を増加させた。「余水吐放流」についてプレスでの発表が14時にあり、当初の見込み、毎秒600立方メートルが750立方メートルとなるというものだった。午後10時過ぎに世田谷区玉川で浸水被害が発生しているので、小河内ダムの放水が影響をしていることは考えられる。放水が決定的だったのかどうかは即断はできないが、この検証が必要なのではないだろうか。


 神奈川県の城山ダムは放水をいつするかで、いくたびか変更した。県の放流開始の判断が変更されたことで結果的に混乱を招くことになった。氾濫などの大きな被害にはつながらなかったとされるが、相模川支流の串川では同日午後10時半ごろ、家族4人が乗った車が転落し、全員が遺体となって発見される事故が起きた。放流開始と同時に市町への通知ということになったのは、行政の稚拙とでもいう大きな問題を残した。水位上昇の想定をつかむのは難しかったと神奈川県河川課がコメントした。

 「緊急放流が始まったころ、ダムへの流入量が以上に跳ね上がった数値を示したままデータの更新が滞っていた」とまでなると、ダムがあれば安全という見解も神話としか言えない。城山ダムが「逡巡」している間に、複数のダムで緊急放流するとの発表があった。「赤信号…」みたいにというと軽薄と言われそうだが、放流したダムと堤防決壊した箇所との関連性を検証する必要がありそうだ。放流を実施した6ダムでは「事前放流」はしていなかったのニュースもあった