2015年6月18日木曜日

赤紙はごめんだ

Facebookkに召集令状=赤紙の投稿があった。戦後生まれにとっては、平和憲法のおかげ(正確には憲法を守れの声のおかげ)で、未だ本物を見ることはないので、幸いなことだ。こんなものは見たくはないのにマイナンバーによって、さっさとそれも瞬時に準備ができて手元にくるのかと連想すると、「侵略戦争の反省」の大切さが余計に重みを増す。正直、歴史を学ぶことがどんなに重要なことかを、国会の論戦やFacebook、ツイッターで思い知る毎日だ。

赤い色の紙は、税金の「最終催告書」にも使われた。ピンク色なのだが、赤紙と称した。これで「召集」して納付に来いという意味に解すると、その「召集令状」的重みの効果を狙ったのだろう。昔の「高度成長」時代には税の自然増収も多くて、それゆえの滞納である状況も鷹揚だった。「鷹揚」の意味は、納付する方の状況もあるから考慮すべきなのだというあたりの考え方も存在したということ。だから、それで応じないからただちに差押えなどということにも「鷹揚」に対処した。

あくまでも説得でという意味合いで「赤」の次は「黄色」で特別催告書を発送する方法もあみだした。赤色の時代的脅かしから、色の中では一番目立つ黄色を使うことで、近代的になったというほどのこともないが、そういう使い方が意味をもたせたようにも思う。
今は法的要件で督促状だけ発送すれば差し押さえ可能とするやり方が当前視されている。公務員定数が削減されて、業務の達成を成績主義で飾られると、さっさと終えるという発想が幅を利かすことになっていく。担税能力を軽んじた税制で納税の平等だけを強調するのは、富の再配分にはならず合理的とは言えない。こんなことが当たり前のはずなのに、やっていることと言ったら真逆のことになっている。

闘牛のマント布の色が赤いのは、観客・人間を興奮させるためなのだそうで、その効果のために赤色で戦争を鼓舞させるために使われるようなことになっては困る。自衛隊員や若者が、赤い血の色を見るようなことになっていいと思う人はいないだろう。渓流釣りの仕掛けに赤色と黄色の目印を使っていると、この二色の目印が流れのなかで、魚が餌を咥えたかどうかの反応を教えてくれる。よく見えているのが黄色の方なのだが、光の向き加減、背景によっては赤色が見える。平和であってこその釣りであり、赤色もこういうときに役立つほうがいい。



ウィキペディアから
帝国陸海軍の召集のうち召集令状等はその色から赤紙などと呼ばれた。陸軍省による召集の大半において赤色が使われた。当初は真っ赤だったが、戦時の物資不足による染料の節約で次第に地色が薄くなり、実際に太平洋戦争で多くの人が目にしたのはピンク(淡紅色、桃色、鴇色)である。なお、海軍省による召集でも似た系統の色が使われたため、陸海両軍の令状を混同して赤紙と表現することも多い。
以下は召集令状の各色・種類である。

  • 赤紙=陸軍省による充員召集、臨時召集、帰休兵召集、国民兵召集、補欠召集
  • 白紙=教育召集、演習召集、簡閲点呼 
  • 青紙=防衛召集
  • 紅紙=海軍省による充員召集