2016年9月25日日曜日

ねじ曲がったものは正す=捨てたものではない豊洲新市場問題

 事態は新豊洲市場開設「延期」ではなく、「中止」までいくのかなという気がしてきた。豊洲は危険だから移転すべきでないと、十数年も言い続けてきた人たちがいた。築地市場で働く人たちと、もちろん都議会にもずっと追求してきた会派があった。正直この声が実るのかどうかとずっと危惧していたところだった。だが、その粘りのおかげで見事に東京の大問題に浮上させたのだから、不条理は正されるのだと、この間の報道を見て感じる。世の中捨てたものではない。

 どうして豊洲だったのかという根拠も未解明で、後ろ暗いことが隠されているのかもしれない。これからはっきりしてくることに期待したい。もとをただせば築地で建て替えるということは市場の総意だったし、そこをあの手この手で覆して「40ヘクタールは必要・汚い狭い古い」との言葉を送り込んで、都として東京ガスと再三交渉を重ねた経過がある。

 その経緯は情報公開によっても「黒塗り」されており、全体像は見えない。東京都は伏魔殿だという、石原元知事の言葉で外れてはいないと思うが、そういう東京都を造ったのは石原元知事自身だったのではないか。土壌汚染の調査を細かくやれという共産党都議の追求に言を弄して、対応しないと逃げの回答している場面が都議会議事録にある。

 ワイドショーで「なんなのこれは?どうして?」という疑問が始終出されているが、都民の目から見えないようにしてすすめたことだから当然のこと。トップダウンで「我」を通すのには、隠れてやることが最適なことで、なにも情報提供されていないことに、東京都組織が平気の平左でいられるようになってしまった。トップダウンの性質は、石原知事在任中に11チャンネルの知事記者会見でも垣間見えた。自ら指さして「ハイ次!どこの記者だ?もっと勉強しろ!はい終わり!」と勝手放題だった。


水産卸売場棟
2014年11月2日撮影