2014年3月5日水曜日

打ち上げ成功、ケネディ大使「日米連携の一例」の意味

 世界中の雨や雪を宇宙からレーダーなどで観測する「全球降水観測(GPM)衛星」が228日午前337分、鹿児島県の種子島宇宙センターから、H2Aロケット23号機で打ち上げられたというニュースがあった。

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)のホームページには、「GPM主衛星は、NASAのゴダード宇宙飛行センターで組み立てられ、JAXAが情報通信研究機構(NICT)と共同で開発した二周波降水レーダ(DPR)とBall Aerospace & Technologies Corp.(米国コロラド州Boulder市)が開発したGPM マイクロ波放射計(GMI)の二つのミッション機器を搭載しています。DPRは、従来の衛星では観測出来なかった弱い雨から豪雨までを観測するとともに、雨滴や雪、氷粒子の大きさやそれらが雲の中でどのように分布しているのかといった降水の詳細な情報を得ることができます。また、GMIは、13の異なる周波数で降水の分布等を幅広く観測します。」とある。

 どうもそれだけではないらしい。キャロライン大使が「見守った」打ち上げの背景になっていると思われるのは、同HPの「 GPMデータは、淡水資源や農作物収量評価のために、適時の情報を提供いたします。」というくだりだ。
国連でされている、世界が淡水不足になるという論議で「淡水資源」に対する重要性に着目されていることに、アメリカが対応しているということのようだ。
 「農作物収量評価のため」というのも、まさかアメリカ国内のことだけではないだろう。世界の農作物の出来具合を、スキャンして調べたうえで、「世界戦略」に役立てようということではないか。

国際連合に所属する二三の機関などが共同で発表した『世界水開発報告書』は、五○年後には世界で七○億人が淡水不足に直面するという内容で、世界各国に衝撃をもたらした。その時期に世界の人口は九○億人程度と予測されているから、九人に七人が淡水不足に直面するということである。宇宙から観察する地球は青色に光輝き、表面の七割が水面であるのに、飲水にも不足するような状態になるとは想像しがたいことである。


「日米が宇宙で連携した一例となった」とキャロライン大使が語った意味が少しわかった気がした。