2015年12月18日金曜日

敦賀半島、美浜原発所をついでに〈訪問〉

琵琶湖は、日本一広い湖だと、覚えている以外は家族旅行と撮影旅行で行っただけだった。かのNHKの放映(写真家今森光彦の指揮の下、NHKによって製作されたドキュメンタリー番組『〈NHKスペシャル〉映像詩 里山〜命めぐる水辺〜』)を見ながらにして、今回の旅になったのは心に残るものだった。写真を撮ってきたものの、「作品」とするにはちょっと不足だけれども、とりあえずは撮ってきたという自己満足で納めておくことにはなった。

行く直前に針江生水の郷委員会に連絡をして、案内をお願いしたのだが、到着の日には琵琶湖の葦刈りをするので、応対不可能とのことだった。やむなく翌日で予約をしたのだが、琵琶湖周辺の地図を見ながら当日の行く先を捜して、美浜原発ならいける距離であることがわかった。ここも改めていくには覚悟がいるから、この折にと行ってみることにした。

美浜原発は鍵型になった半島の先端を占拠している。高台からか近いところから撮ろうと「航空地図」をみて予習したものの、現地では、敷地に入っていく橋は、陸側にはゲートがあり、門番がいて入っていかれないし(グーグルの航空地図ではゲートは映っていない)、回り込んだ陸地側からの小道は封鎖されていた。陸側の北側に漁村と見える小さな新しい港があって、この辺から撮ろうかと車を降りた。釣りをしている人がいて、話しかけたらクロダイをねらっているのだとか。魚港の様子を写していたら、伊根の舟屋のような小屋が目に入った。原発に背を向けて写真を撮っていると、ちょうどお婆ちゃんがでてきた。87歳でこれから山へ行って畑をみにいくのだと言う。この小屋は舟小屋で、家の前の道路(港の護岸)ができてからは、使わなくなったと話していた。

 直ぐ近くには水晶浜海水浴場があり、浜と海水はこれまで見たことがないようなとても綺麗で驚いた。投げ釣りをしている人に声をかけたら、シロギスねらいとのことだった。波が荒くてあたりが出ないと。北陸新幹線開業で、ここも観光のエリアとして力を入れているらしいことが後から判った。風光明媚なところに釣りやサーフィンで興じる人を見て、どうにもその存在を認められない原発の危うさと、「原子力PRセンター」の美浜原発3号炉事故の言い訳めく安全宣伝が甦った。