2014年2月3日月曜日

雪が溶けて…。

 窓から見える日差しが、もう春がやってくることを教えてくれる。東京の雪は、1回か2回降るから、その残り冬の催しを済ませてからでないと、ダメなような気もする。日常の生活から見ると雪は邪魔存在となる。都市も田舎も共通してそう扱われる。

 山麓の雪が溶けはじめるころに、雪が居座っていたあたりの泥を身に着けて、気の毒なくらい汚れた身体を、徐々に水に変えていく。日常生活の厄介者ではあっても、大地の養分を溶かし込んだ水分を少しずつ渓へ流れ込む作業は、大地の生き物たちにどれだけの恵みを施すのだろうか。とりわけ人間の食にはとてつもない影響をもっている。

 「生産活動」から遠ざかったものには、自然の活動がいやに気になるし目に染みる。雪解けの渓流から少しイワナを頂戴して、たまった雪が溶けた端っこからみえるフキノトウを積むことを想像しただけで、うれしくなってくる。大自然のなかに踏み込んでいる実感はなにものにも代えがたい。