2017年10月7日土曜日

「ブレる」のはよくない

 ブレるのは、自分が揺れるから。写真撮影の場合はカメラを持つ手が揺れてしまうからそうなる。慌てているときによくなるし、そうなるときは光が少ない時によくなる。薄暗いところにはフラッシュをあてて、そのままを描き出すのも方法だし、じっくりと時間をかけてシャッターを切ればブレは解消する。

 ブレていないのは共産党だけとよくいうが、自民党も比較的ブレない。アメリカとの安保体制や、大企業優遇の姿勢は一貫している。希望の党の政策は共産党に近づいているとの発言がモーニングショーで飛び出した。たしかに政策の場合は多くが「ウケねらい」として使われる。そして本音を隠すためにもかなりな「見せ金」にする。希望の党の公約での「憲法改正の議論を進める」は当初から「9条改正」へと踏み込んだ。それなら自民党との連立政権も含むのだというわかる態度をはっきりみせた。批判に応えての変更ということだろうが、こういうこともブレのあらわれなのだろう。

 毎日モーニングショーとニュースを見ていると、その新党をめぐっての動きが伝えられ、番組内容が動いているのがわかる。大筋では選挙にまつわる報道をするのは、情報を共有するという点で悪いことではない。「モーニングショーとてショー」だからと言ってしまえばそれまでだが、自民党の内情に精通している評論家などが出て、あれこれしゃべるのだから、それだけには終わらない。

 自民党と希望の党との「政権選択」とまで持ち上げて、なるべく大仰に作り上げて、政権党への浮上につなげる役割も果たす。報道の側も政権への忖度が映りでる。もっとも「政権選択選挙」といったのは小池氏自身でもある。巻き込まれてはいけないという言葉も、モーニングショーの発言では出てくる。つまりブレているとの自覚はあるわけだ。それは救いではある。

 そこはやはり、世論の意思と動向がどこにあるのかが、ちゃんと捉えられていなければいけないのだろう。問題をそこから立てない限り空論になってしまう。しかし巻き込まれて、悪法である公職選挙法を真っ青にするような報道をするというのは何か面白い。事前運動だの戸別訪問、選挙ビラだのという制限を、この際考え直すのにちょうどよい時期にきている。