2020年11月11日水曜日

山女魚の発がん卵埋設に行く

 参加メンバーは、高齢化して渓流に入る山道も、気をつけて行かなくてはいけない。充分注意をするようにと、念おしの言葉が挨拶の中で強調される。

 前年渓流に埋めたカゴは、目印のビニール紐がつけられ、掲示板も木に括り付けてある。その場所に行きついて回収を試みても、渓相が変わっていてさっぱり見つからない。少し流れを下ったところで、カゴに結びつけてあった紐がようやくみつかった。紐は刷りきれて、ボロボロの状態だ。重なった石の間に食い込んでいる。

 カゴの方は大きい石の下敷きなったのか、みつからない。近くの木の根っこの部分が1メートルも露出しているから、おそらく増水した流れに飛ばされたようになったのだろう。今は水量が少なくて、今回の放流場所を定めるのが難儀だったが、ほぼ同様の場所を選んで、慎重に発がん卵カゴを流れに沈めた。

 2ヶ所に無事埋めて、林道に上って戻りながら崩落した箇所を複数眺めた。高いところから渓流を除くと、時折見える型の良いヤマメが気配を察して急いで逃げる姿が見える。その姿を気にしながら坂を下るうちに車止め着いた。事前の雨の予報は当たることはなくて、終了時にはすっかり晴れていた。10日後には孵るだろうと「東京都・魚センター」の担当者の話だった。