2014年8月10日日曜日

生涯初のアユ釣りは面白みどころでない体験。

 81日は、河口から20キロはある馬路温泉泊の早朝、安田川の上流部でアマゴを狙おうかと3人で出かける。車から眺めながら見る流れの落差はそんなにないが、道路からの降り口がなかなか見つからず、あっても川からは高いので、なかなか流れには降りられない。渓谷は素晴らしい眺めだが、探しながらいくら上へ行っても同じ状態なので今度は逆に下ってみることにした。

宿泊している馬路温泉近くまで下りて、見たところよさそうなところに車を止めて降りてみる。流れの落ち込みで、頭からネオプレンのタイツを纏って、釣竿を持ちながら、箱メガネで川を覗いている人がいる。半身以上川に浸かって、アユの泳ぎを観察しながら竿を振ってひっかけるようだ。あとでわかったが81日から、「しゃくり釣り」の解禁になっていた。見ている間に3尾もかけて、見事なものだった。さて釣りを始めようかと川を眺めてみるものの、動き回るにはちょっと足元が悪いと見えたので、再度の移動となった。

川は平たい流れになって、歩くにも危険はなさそうなので、釣り場を定めた。東京から持って行ったブドウ虫を分けて、針に付けて流すと、第一投でかかったのはカワムツ。渓流でこれが圧倒的に多いのは、以前に四万十川で体験したから、覚悟はしていた。しかしそれが入れガカリだ。なにもアタリがないよりはいいにしても、どうしてこんなにいるのかと思う。この魚は天ぷらだとか唐揚げで食べられる魚なのだが、日常のつり種目にないものだから、疎んじてしまう。釣ることの楽しみは十二分味あわせてもらったが、すべて放流した。そんな状態で、やっと小さなアマゴが1尾だけ顔を出してくれた。

朝食後はアユ釣りだ。私とすれば、アユ釣りはお付き合いのつもりだ。(というと友人には失礼になるかもしれないが、)アユ釣りの面白さは、周りの釣り師たちの突っ込み具合を見ていると解る。釣りはなんでも面白いが、突っ込んでやるのは一つの魚種でもとても奥が深い。いまだにハゼやフナ釣りでさえも、確信に至らないから、ずば抜けて面白そうなアユつりには手を出さないと決めていた。でも信条に反するというほどのことはなく、やらせてもらうことにした。

なんでも知らないことを初めてやることが上手くゆくはずはない。友釣りのためのおとりアユをつけてもらった後は、一人でやることになって、どうにもならない。泳いでくれぬオトリアユをやたら引きずり回して弱らせてしまって、可愛そうなことをした。ところがそんな状態なのに、アユが掛ってきた。目印がとんでもない方へ走ってくのだから、シロウトでもわかった。かかった魚をどうして取り込むのかは、友人が近くにいないからわからない。タマ網をどうやって使うのかのイメージも不明で、ともかくも苦しがるアユを見よう見まねで付け替えて、再投入。反応がないので場所を変えたくてもどうやって魚を運ぶのかも想定できない。やむなく引きずり回すことになった「虐待」行為。それでも2尾目も掛ってくれたから、まあよかった諸体験だった。魚はたくさんいるのだろうということだけはわかったが、ガッツーンとかかる面白みは、もっと授業料が必要なのだろう。
午後からは馬路温泉の直ぐ下の河原でカワムツ承知の釣りをする。今度はアマゴが2尾釣れてきた。これはアユと一緒に塩焼きになって夕食の食卓に上った。