2012年12月19日水曜日

酷過ぎる「小選挙区比例代表制」

 選挙制度が酷いものだということは、今回特に感じた。「小選挙区比例代表並立制」は480名の衆議院定数となっている。うち小選挙区が300議席、比例定数は180議席。小選挙区は比較第一党が当選できる。これを押さえておけば、自民党が大幅に議席を獲得できたわけは簡単に理解できる。このことでなにもびっくりすることはない。

 そのうえで、10%もの投票率の低下という条件があったわけだから、自民党が民主党の自爆のおかげで若干の上乗せで第一党の地位につくことができた。公明党と自民党等の「協力」、維新の党と公明党との「協力」で候補者調整をしたのだから、政策よりは選挙戦術という野合で議席をわがものとしたということだ。本来的には己の政党の政策が支持などという代物ではない。

 あまりたくさん議席をせしめたから、自民党自身がびっくりしたようだし、マスコミもびっくりという状況だった。しかしだから、こんな酷いことがわかりきっている選挙制度を知らせることをしないのだろうかと思う。選挙制度が民主主義の制度として、このままで置いておけないくらいのバランス感覚はないのか。

 こんな選挙制度にのっかって、底の浅い報道をしているから、10%もの投票率減を招いてしまった。投票先選択のための情報を、「不偏不党」の立場で公正に報道すべきだ。「若い人は政治に無関心だ」と切り捨てていたら、政治は成熟していかない。マスコミの露出度で選挙運動ができてしまうのでは、あまりにも皮相な選挙になってしまう。