2019年11月4日月曜日

「ハゼを釣って唐揚げで食おう」の顛末記

 112日、江戸川でハゼを釣って食べようという催しがあった。今は夏場とは違ってハゼは釣れなくなっている時期なので、いっぱしの「釣り愛好者」としては、どうだろうかと少々の不安もあった。引き船に乗って下流へ運んでもらってボートに移ってやるのは、楽なつりでもあり数人でやるのは賑やかだろうと、勇んで出かけたところまではよかった。

 待ち合わせの駅で降り、時間が早めだったので駅前のバス停の椅子に腰かけて、おにぎりを頬張った。なにか居心地が悪かったのは、虫の知らせだったか何気なく駅名を確かめると、なんと待ち合わせの「妙典」の一つ手前の駅だった。

 最近「勘違い的誤り」が増えて、「ブレーキとアクセルの踏み違い」が目の先にもちらついてきているので、慎重にやっているつもりではあっても、起きてしまうのだ。治らなければ「年ですから」という医者のセリフもどこからか聞こえてくるようだ。一つ目の事件は、あわてて次の駅に向かい、ほぼ約束時間通りに間に合ったことで落着した。

 5人集まるところ、車の渋滞で二人組が遅れてくるとのことで3人が先にボートに乗り込んだ。そこで二つ目の事件が起きた。ボートが浸水している!足元の水は最初に少したまっていたが、多分雨水が残っているものだろうと判断した。ところがじわじわと水かさが増えてくる。やむなく水をかい出し始めた。ペットボトル(小水用で口部分を切り取ってある)を使って懸命にやるが、止めるとジワジワと増えてくる。船宿に携帯で助けを呼んだ。

 別のボートに移ってようやくハゼつりに取り掛かれた。釣りはハゼの反応が少なめで、やはり盛期を過ぎてのことだろうという感じだった。それでも時々上がるハゼを騒ぎながら楽しめた。周りでは穏やかな青空の元、たくさんのボートが同じようにボートで釣りを楽しんでいた。

 二度あることは…に出会ってしまったのは、釣ったハゼの針を外すときに針が折れて、そのままバケツの釣られた仲間のところに飛び込んだときだ。なにせ、唐揚げにして丸ごと食べるご馳走として、口に入れるものだから、しばらく探したものの見つけられない。頭だけ残して食べることもできるが、唐揚げでそれはつまらない。

 Sさん宅で唐揚げができあがって、食べる段になり頭からそっと噛んでみたり、頭の部分を開いてみたりしてやってみた。強力な磁石で頭の部分に近づけたのが、効果的だったのかどうかは不明だった。総計99尾の魚をきれいに平らげたが、奮闘努力の結果は、ついに報われなかった。バケツに入っているときにはずれたのか?…ともかく胃袋に入って出てくる可能性もあるよと、好き勝手な予想を言い合っただけだった。かくして読書会の課外授業は、愉快な一日を過ごして勉強疲れの頭を癒すことになったのだった。