2013年3月29日金曜日

花粉症は公害という方がいい


 花粉症を自覚したのは、50歳くらいだった。耳鼻咽喉系統は丈夫ではないが、そのころの職場の窓の外には、首都高銀座線で高架になっているところが近くに見えた。高架の下は神田川だから、谷になっていて空気が澱むところだった。建物のエアコンは年代ものだったから、どう考えてもきれいでない空気が蔓延していた感じだった。

 花粉症になる因果関係は大気汚染だろうという研究結果などが、ひところはよく聞いていたが、最近は排ガス規制が定着してかのような扱いで、ちっとも話題にならなくなっていた。日本の排ガスの大気汚染は、SPM(浮遊粒子状物質)については環境基準をクリアしているとされていても、ぜんそく児童は増加している現状から、その原因がPM2.5によるものとの指摘がされていた(2007年)。

 東京新聞(325日)が花粉症の原因についての記事を書いた。埼玉大大学院の研究でかなり明確に、PM2.5の影響を指摘したものだ。「中国公害問題」でPM2.5(微粒子状物質)が知名度を上げることになったのは、皮肉にも日本の大気汚染の問題も浮上させることになった。となると、花粉症はかかった人の自己責任によるものでない、公害問題だというほうがあっている。だいたい、杉の木を植えろという「国策」があったことなど、何の問題にもならないことも、問題だ。